ピアノ・・・リズム練習について思う事 | 八王子高尾 ピアノ教師 の日記

八王子高尾 ピアノ教師 の日記

桐朋学園大学ピアノ科卒業後個人でピアノを指導しつつ演奏活動を続けております。八王子市高尾駅より徒歩5分です。
皆様と音楽やピアノについて、交流ができれば幸いです。ピアノについてのご質問等も是非お寄せ下さい。
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前回の記事に、「ショパンの幻想即興曲の右手をスキップのリズムで練習する事はやってほしくない」と書きました。

 

その後いくつか、「今そう練習する様に先生に言われてます」とか

「ハノン等をリズム練習してます」

というお話を伺いました。

 

それを間違いだと言うのではありません。

 

皆様それぞれ立派な先生だと思います。

皆様が先生に対し、不信を抱いたりする事のない様に。

安心してレッスンを受けて頂ける様に。

 

まとめて補足説明させて頂きます。

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この練習法、実は大変効果あります。

私自身、子供の頃から成人するまで、このリズム練習を散々やりました。

 

幻想即興曲の右手も符点でやりました。何時間も毎日。

 

指を動かす筋肉や神経回路を作るには、一番早いのです。

 

効果があるから、勧める先生が多いです。それは自然な事です。

 

 

早く効果を得られる事は、同時に大きな危険を伴います。

先生方はその点、きちんと注意深く管理して下さってるはずです。

 

まずこの練習を大人の方がやる場合、

 

美しい音楽から乖離してしまうので大変辛いです。

(平気で苦もなく続けられるとしたら、その感覚が怖いです)

 

子供で音大進学等の専門を目指す場合、脳や身体の成長に合わせ、効果的な時期に合わせて脳と身体を育てたい訳です。

 

もちろん音楽性は後回し、という訳ではありません。

バッハやソルフェージュ等と併用し、絶妙なバランスを取りながら行う訳です。

 

又乱暴な言い方ですが、子供、つまり身体や脳が成長している時は、どんどん恐れず手に当てていく事も必要です。

ツェルニー等はそうで、とにかくすぐ弾ける様にする、弾けたら「ハイ、次!」

 

という訳で、「練習だから辛いのは当たり前!やりなさい!」

 

と厳しい先生に言われても、ある程度は大丈夫なのです。

(もちろん注意深い観察とコントロールが必要ですよ)

 

つまりこれは、成長期に最も効果を得られる練習法だと思うのです。

 

もちろん、大人になっても筋肉や神経は育ちます。

効果もあります。実際効果も沢山見てきました。

 

只大人と子供の違いをきちんと考える必要があります。

 

大人の場合は、弾きたい曲を弾く事が目標です。

 

目標が、例えばショパンの幻想即興曲を美しく弾きたい!とします。

解りやすく言えば

 

私はこう弾きたいのに!

→今の私、4指が弱くて動かない、無理!

→なので4指も思う様に動かせる様にしなきゃ

→そのために、こういう練習をする

 

その様な目的の為に行うべき練習です。

でも初心者の方に、効果的なリズム練習法なんて解らないですよね。

(だから独学でやらないで!)

 

きちんと考えないと、辛くて退屈なのに効果がない

まだそれだけなら、いいのです。

 

 

困るのはこの様な練習法、恐ろしい副作用を持っています。

 

「こういう事を何回やりなさい!」とノルマを課したとします。

真面目な方の中には、自分でノルマを課す方もいらっしゃいます。

こういう方が一番要注意です。

 

この辛い練習を楽に行うコツ。

音楽を見失えば辛くないです。

美しい幻想即興曲をイメージしてたら出来ません。

 

何も考えずに「あと何回」頑張る!となりがちです。

それが一番楽だから。

 

人間の脳の適応性は恐ろしく早いのです。

辛い事を辛くない様に、脳が適応するのです。

 

符点のリズムで幻想即興曲の右手を毎日何回!

 

これを最も楽に続ける為には、美しい幻想即興曲を忘れればいいのです。

 

 

もう一つ

辛い練習には目標が必要です。

見失った大きな目標の代わりに、新たな目標が生まれます。

 

ノルマをこなすこと=反復、

 

この時、人の思考は停止します。

 

頑張って辛い練習をしたのに、幻想即興曲が思うように弾けない時。

 

私はダメなんだ!

私には無理なんだ!

私には素質がないんだ!

とか

(そう思った時、人は自分でダメになり、自分で目標を遠ざけ、素質を捨てる訳です)

 

もっと頑張らないとダメなんだ!

とか

(必死で悲愴になる事自体おかしい、と考えてほしいのです)

 

私はこんなに頑張ってるのだから、進歩しているはず。

(客観的に自分を見られなくなります)

 

こんなに頑張っても弾けないなら、私のせいではない!

先生が悪い!

ピアノが悪い!

練習環境が悪い!

子供の頃習わせてくれなかったから!

(自分の責任でない事を実証する為の練習ですか?)

 

そういう時に「練習法合ってないのでは?」と言っても、まず聞きいれません。

「こんなに頑張ったのに、それ否定するの?」と怒る方もいらっしゃいます。

(くれぐれも否定でなく、やり方が間違ってるという事ですが)

 

真面目な方ほど危険なのです。

そんな風になった人を、何人も知ってます。

 

ショパンを指導出来るレベルのピアノの先生は、辛い練習を乗り越えた方が多いです。

(つまり真面目で根性がある方が多い)

 

皆さん、きちんと管理してくれる先生がいて、やってきた事です。

そして効果があったから、先生方はご自身の管理下でその練習を勧める訳です。

 

只、大人の方がこれ程ピアノを習う様になったのはごく最近です。

私も含め、先生方も皆、練習法や教本を模索している日々なのです。

 

仕事をしながら僅かな時間しかピアノを弾けない。

毎日なんて無理。

 

それなら辛い練習が時間を占めてしまうと、辛くなってしまいます。

 

なので、練習があまりに辛い時は、きちんと先生に伝えてあげて下さい。

注)何も練習しないで弾ける様になりたい!はダメですよ(笑)

 

子供の頃からピアノを弾いてきた先生方には、大人になって始めた方の気持ちは、理解してあげたくても出来ないのです。

 

無理せず楽しく続けて頂く為にも、先生に教えてあげて下さい

 

音楽に添っていれば、練習するのが幸せなのです。

リズム練習自体が悪いのではありません。取り扱い方が難しいという事です。

目標にする音楽に添っていれば、辛くなく効果があります。

 

まとめますね・・・。

 

リズム練習等の単調な反復練習は早くに効果を得られます。

但し、練習には音楽や教育に豊富な知識と経験を要します。

 

取り扱い方が大変難しいですが、行う場合は、信頼出来る先生の下で、きちんと目標を伺って安心して行って下さい。

 

副作用が恐ろしいという事

副作用

①辛い反復は目標(美しい音楽)を見失う危険が大きい事

②音楽を見失うと思考が停止し、負のスパイラルが発生する危険がある事

 

大好きな先生がリズム練習を勧めたら、きちんとお話を伺って相談し、安心して行って下さい。

それでも辛い時は、無理せず先生に相談なさって下さい。

 

幸せな気持ちで練習して下さい。

ピアノは幸せな気持ちで弾いて下さい。

 

素敵な大人のピアノの為に(*^_^*)