ピアノ・・・楽譜を読み解いてみる | 八王子高尾 ピアノ教師 の日記

八王子高尾 ピアノ教師 の日記

桐朋学園大学ピアノ科卒業後個人でピアノを指導しつつ演奏活動を続けております。八王子市高尾駅より徒歩5分です。
皆様と音楽やピアノについて、交流ができれば幸いです。ピアノについてのご質問等も是非お寄せ下さい。
oyuki42koba☆yahoo.co.jp ☆を@にかえて下さい。

先週、調律して頂きました。
バッハシール1.5 キルンベルガーに近い調律です。

このピアノも1920年頃製作、ピアノの時代に合った調律です。
ショパンの時代、ほぼこの調律に近かったでしょう。

大人の生徒さんの一言・・・・

「あ~、この調律でショパン弾くと幸せ~~」

でしょう?(*^_^*)

この教室に来て、良かったでしょう?うふふ
♯の多い和音が、少し歪んだ響きで何とも美しいです。


今日のレッスン、ショパンのワルツ、op69-2

https://www.youtube.com/watch?v=SUtP79EYkIw

(すみません。31分32秒から聴いて下さい)

試行錯誤しつつも、頑張ってずいぶん仕上がってきて楽しみです(*^_^*)

1393300441238.jpg 


この曲、一番最初の右手の♯ファの音が、一瞬、はかなく漂うようで、何とも言えません。

とても意味のある大事な音です。



では、この♯ファと次の左手のの音の持つ意味を、考えてみましょうネ。

楽譜を読み解く、ほんの一例です。




この曲は、ロ短調(h-moll)で書かれています

ロ短調の音階です。(旋律音階をあげておきます)

 

 最初のこの、はかない右手の音は、♯ファ、音階の5番目の音です。
(2小節目の1拍目、3小節目の4拍目にあります)


音階の5番目の音、ドミナント、は音階の最初の音に代表される、トニックに進む役割があります。


ロ短調(h-moll)である事が解れば、この音が進む方向が、ある程度予測できます。


けれど、この曲、この音だけを最初に聴いたほんの一瞬、
この曲が何調で、何番目の音か、つまり役割や方向性が、わからないはずです。

♯ファ~・・・・・?



しかも最初のこの音は、3拍子の3拍目、
指揮棒が上にあがる上拍・・・つまり、ふわ~っ


「え?」 と漂い、問いかける音です。

ほんの一瞬でも、この音の後「?」が欲しいのです。


アクセント(>)で強くとか、しっかり弾く音ではないのです。
この>は、表情をつけて、と解釈すると解りやすいでしょう。


この♯ファの音は次の1拍目にかけてタイで、弾きなおされません。


その時弾かれるのが、次の1拍目、左手の

ロ短調の音階の一番最初の音、主音が現れます。

この瞬間、♯ファがドミナントで、この曲がロ短調である事が解ります。


この左手のの役割

漂っている♯ファに、そっと沿うように、静かに手をさしのべる音です。

「一緒に行く?」みたいな・・・

♯ファはタイで伸ばされているから、漂ったままです。

タイでなく休符だとしたら、全く雰囲気が違ってきます。

(誰ですか?無造作に切っちゃう人!怒る!)




この左手のは、漂ったままの右手の♯ファの音に寄り添う音です。

あくまで寄り添い手を差し伸べる音であり、強くリードする音ではありません。


ところが1拍目、♯ファがタイなので、弾き直す必要がありません。

なので全神経、離れた左手のに向いてしまう方が多いです。

その瞬間、♯ファは、地に落ち、残念な事になります。

左手のが、そっと入った時に、右手の♯ファが漂ったままでいなくてはいけません



もちろん、妄想とか情景を思い浮かべて良いのです。

歌いたい様に歌って良いのです。

でも、ショパンがどんな風に弾いて欲しかったのか?


読み解こうとする事が大切で、その為にはルールを知る必要があります。

そうでない演奏は、根拠のない自己主張に終わります。
それがいけないとは言いませんが、私は残念に思います。

漂う様な音、寄り添う様な音を出すのは、大変難しいです。

当然、練習も必要です。



ほんの少し、ショパンの声に耳を傾けてみましょう。

ショパンは煌めく様な宝石の様な作品を沢山残してくれました。

遠い昔に亡くなったショパンと作品の中で対話ができる。

とっても素敵ですね(*^_^*)