レッスンの半数は、いわゆる「大人のピアノレッスン」です。
皆さん、それぞれのペースで、コツコツ頑張って下さいます。
時にお仕事等で、全く練習できなくても、気楽にお越し頂いてます。
長い目で見て、継続していただく事が一番大切ですから。
個人教室は時に閉鎖的になりがちです。
その方が良い、という方もいらっしゃいます。
お気持ちも解るので、そっと見守ります。
でも外に開いた教室でもあり、そっといられる教室でもありたいと思います。
そういう訳で時々、希望者同士で、課外活動?もあります。
生徒さん同士の交流もありますが、未知の世界の入口にお連れしたいという気持ちもあります。
最近では、調律から考える音楽、というテーマでレクチャー等に参加してまいりました。
バッハもモーツァルトもベートーヴェンもショパンも
現代の調律を知りません。
私達は当たり前の様に、平均律調律の現代ピアノで弾きます。
でも作曲家の頭の中にはありません。知らなかったはずです。
そもそも、美しく響く5度(ド~ソ完全5度)という響きがありました。
周波数3対2の美しい響き、これを重んじた訳です。
困った事に、純粋なオクターブの比率は2対1
美しい5度を重んじると、ずれてしまいます。
そもそも何故5度なの?
私の想像です。
まだ鍵盤楽器もろくろく生まれていない昔。
ギョーム・ド・マショー (1300年頃~1377年)
ノートルダム・ミサ
動画のステージは現代ですが、こんな音楽を教会の聖堂で唱和していたのでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=5GgkAM8crbU
比率3対2の美しい5度の響きに、神様との一体を感じたのかもしれません。
模索された様々な調律法の1つに、モーツァルトが好んだと言われるミーントーン調律があります。
これも特に黒鍵の音の歪みが多い、独特の響きです。
白鍵だけのハ長調は、子供の様に純粋な響きですが、黒鍵が増えると違ってきます。
ドミソは天国の響きです。それぞれ半音上げて、♯ド、♯ミ、♯ソにすると
異様な響きで鳥肌が立ちます。
♯3つのイ長調、これが美とおぞましさの境目の様です。
彼の作品に3つ以上の調号があるのを見た事はありません。
果たして、イ長調のトルコ行進曲付ソナタ、第一楽章、天国の様だと言えるでしょうか?
ベートーヴェン頃からよく用いられた、例えばキルンベルガー調律は、歪みがかなり解消されます。
それでも、黒鍵の多いと響きが歪みますが、何とも言えないやや病的な美しい響きです。
ショパンの作品にやたら♯や♭が多いのは、それが一番美しい調だから。
その美しい響きや余韻を味わって弾き、聴く人も味わっていたはずです。
夜想曲ノクターン、
まだ電気もなく、音も少なかった時代、ろうそくの灯りの下、どんな世界だったでしょう。
ガチャガチャ弾くことは出来なくなり、タッチも変わり、響きに耳を傾ける様になります。
美しい響きを感じると、立ち止まる響き、通過する響きが見えてきます。
タッチが変わります。
何より、ショパン自身が書き込んでくれた、ペダルの意味が解ります。
ちゃんと守りましょうね
ちょっと目を外に向けてみると、違った世界が見えてきます。
その積み重ねが、その人の音楽を作ります。
大人のピアノレッスンは、生涯学習だとよく思います。
美しい音楽に思いを寄せる時間、そんな幸せを味わって頂けたらと願います。
まだまだ続きますよ~(*^_^*)