ピアノを弾く為には、「ピアノを弾ける手」をつくる事、それを使いこなす事が必要です。
まず「ピアノを弾ける手をつくる」=基礎練習についてのお話です。
ここでは大人の方を念頭においたお話です。
4指(薬指)、5指(小指)は日常生活で、独立して使う事がほとんどありません。
その為筋力が弱く、独立して動かす神経も発達していません。
時間をかけて少しずつ筋肉をつくる
動かす神経回路を形成する
こうして「ピアノを弾ける手」をつくらなくてはなりません。
まず手をお椀を伏せた様に少し丸い形にします。
初めての方はまず最初、小指側に手が傾いてしまいます。
小指側の筋肉が弱いので、小指の外側面を「べっちょり」と寝かせると楽です。
なのでお椀を伏せた形のまま、親指の方にやや傾かせる必要があります。
そうすると小指を立たせる事ができます。
手の向きが変われば使う筋肉も違うので、これだけでも最初は疲れたり、違和感があるはずです。
でもこれは、ピアノを弾ける手を形成する為の大事な一歩です。
この手の形、手の向きを維持する筋肉をつくり、その感覚を記憶するのです。
自然に出来る様になるまで、とにかく注意し続ける事が大切です。
最初は筋肉がないので疲労します。
楽な形(小指側に傾く)になりがちですが、それでは筋肉ができません。
そして次に指を付根から動かす筋肉、神経回路を形成します。
指の先が前を向かない様に、付根から動かせる事が大切です。
特に2~5指(親指以外)は、指の曲げ伸ばしは日常よく行いますが、指を曲げたまま付根(第3関節)を動かすという動作が意外に少ないです。
油断すると、第2関節から動かしてしまいます。
お椀を伏せた形で第2関節を支点にして動かすと、指が前を向いたり下を向いたりします。
これでは弾けません。
付根から動かす必要があります。
手を支える筋肉、指を動かす筋肉の形成は、まずこういう事から始めます。
これが基本です。無意識に出来る様になるまで、とにかく注意し続けなくてはなりません。
効率よくそれが形成できるのはハノンです。
只即効性があるだけに、副作用に注意が必要です。問題はその使い方なのです。
何の為に、どの様な事を気を付けなくてはならないのか。
常に細心の注意をもって行う事が大切です。
目的がウォーミングアップでも、上の空で弾いてはいけません。
今日の自分の手の具合、感覚等を確かめながら弾く事が大切です。
最初はきちんと指を動かします。
指を動かす筋肉がないと、手の甲を揺すって弾こうとします。指だけで丁寧に弾ける様に。
無理に大きな音を出そうとしたり速く弾こうとすると、力任せに手を揺する事になります。
そうして出る音は荒れた聴き苦しい音になります。
これでは指を動かす筋肉ができません。
、違う神経回路が出来てしまいます。
荒れた聴き苦しい音に狎れて鈍感になります。(これが一番怖いのです)
例えハノンの様な反復練習でも、聴き苦しい音を決して出してはいけません。
こういう練習の仕方は大変疲れます。練習時間は最初短くて良いです。
神経を使って感覚をフル回転させて練習する習慣をつけて下さい。
細心の注意を払って丁寧に弾く事で、耳と指先の感性が作られます。
これは最も大切な事で、それが一生、その人の先生になります。
そして「神経を研ぎ澄まして音を出す習慣をつくる」練習でもあります。
筋肉や神経と同時に、一番大切な鋭い感性と感覚、正しい練習習慣をつくらなくてはなりません。
それが一生、その人の先生になります。
良い先生になって下さいね。