基礎をやりたいので、ハノンをやります。という方が多いです。
ここで基礎技術について、考えてみます
基礎として大変重要なのに見逃されている事が沢山あります。
どんな小さな練習曲、初心者用の五線譜2~3段の練習曲でもそうです。
それらを音楽として、きちんと理解し読み解く力=音楽力。
これがおざなりにされている様に感じます。
音楽力と、演奏技術を切り離して考える事は無意味です。
今回はリズムのある一面のみを例にして、書いてみます。
音符には、音符の長さに由来する性格があります。
まず、正確に音符の長さを守る事が大切です。
徹底して、きちんと守る習慣をつけます。
4分の2拍子で、曲の最後が2分音符で終わるなら・・・
1、2、次の1の瞬間に音がなくなります。
早くても遅くてもダメです。
それを守りつつ、同時に感性を持って弾き分ける訓練が必要です。
8分音符は、タ、タ、♫・・・
地に足が付かず、軽く通過する性格です。
4分音符は、タン、タン♩・・・
地に足がつき、歩く様な性格です。
2分音符は、タァァン・・・・
伸びる時間を意識する必要があります。
フレーズの最後が、8分音符なら・・
音を止めず、ふわりと抜きます。
「ふわり」がある事で、8分音符に聴こえます。
4分音符なら、タン、と一瞬止まる瞬間を聴かせます。
止まる事で、4分音符に聴こえます。
2分音符なら、伸びを聴かせる必要があります。
伸びがある事で、2分音符に聴こえます。
実際の長さを正確に守った上で、そこまでの意識が必要です。
初心者の時からです。
そして弾き分ける技術。
「ふわり」には上下の柔軟な手首運動が必要です。
「タン」と止めるのには、一瞬手の動きを止める必要があります。
更に、指先にピタリとした感覚も必要です。
「タァァン」と伸ばす時、緩やかな伸びを腕全体まで意識します。
さらにその間、音楽がどちらに向かうのか。
沈むのか、解放するのか、止めるのか。を感じる必要があります。
よくよく譜面を読むと、ある程度弾き方は決まっているはずです。
それらを読み取る事が必要です。
曲を最初に譜読みする時、何拍子か確認することが大切です。
4分の4拍子なら、その曲には、歩く様な、刻む様な何かがあるはずです。
2分の2拍子なら刻みがなく、のびやかになります。
テンポも少しだけ速くなります。
あまり遅くすると2拍子に聴こえません。
1拍、1拍がどういう性格か、弾き分ける必要があるのです。
有名なベートーヴェンの月光ソナタの第1楽章。
きちんと2分の2拍子に弾く方が少ない。
3連音符を音型どおりに刻むと、緩やかさが感じられないのです。
そして第3楽章を4分の4拍子にきちんと刻んで弾く方も少ないです。
速い分散和音のフレーズは勢いにまかせてはいけません。
速くてもカツカツと正確に刻む動きが必要です。
どう弾くべきなのか、それを読み取る力をつける事。
その上で自分に不足している技術を知る事が大切です。
ピアノ奏法は沢山あり、長い歴史を経て多くの曲により作られてきました。
それらの曲から得られる基礎技術は沢山あります。
基礎練習=ハノン、というのはナンセンスな考え方です。
何度も言いますが、ハノンは即効性のある良い教材です。
但し音楽力と技術を理解した指導者の元で使わないと危険です。
アマチュアの方や勉強中の方は、よく先生と相談して使って下さい。
小さな作品でも丁寧に譜読みし、どう弾くか自分で考える事が大切です。
良き先生なら、譜読みと解釈について、良き助言を下さるはずです。
それこそが大切な基礎練習である事を意識して、頑張って下さい。
努力が実を結びますように!