父と暮らせば 観劇 | かけ流しのブログ

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日常の出来事を思うまま綴っています。舞台観劇の感想や時事問題に対する呟きが多いです。あと、一人カラオケにも行きます。

今日外出した人は分かると思いますが、とても寒い一日でしたね。今日は下北沢で劇団だるま座さんの「父と暮らせば」を観てきました。この作品は原作が作家の井上ひさしさんです。

 

画像3枚目にありますが新潮文庫を購入し、事前に内容把握のため読みました。舞台は広島なので、会話はすべて広島弁でした。出演者2名だけだし、広島弁だし、役者さんは大変だろうなと思いました。

 

この作品は劇団だるま座さんで毎年上演されていたようですが、私が観たのは今回が初めてでした。いつかは観ようと思っていましたが、今回だるま座の松木菜美ちゃんが出演するので行くことにしました。

 

私は男性より女性の方が好きなので、どうしても応援は女性になります。菜美ちゃんは以前からだるま座に属していますが、昨年観た「4分の1の楽園」という舞台での菜美ちゃんの演技が良かったのです。

 

それで、菜美ちゃんも推しメンに加わりました。二人芝居に登用されるだけあって、菜美ちゃんの演技力は相当高いと思いました。はっきり言って、凄い良かったです。大きな舞台では出せない演技でした。

 

前置きが長くなったので、そろそろ本題に入ろうかな?ただ、日曜まで上演中につき、あまり詳しくは書いちゃいけないかな?原爆投下から3年後の話です。当然、原爆の影響が心にも体にも出ていました。

 

登場人物は沢山いますが、出演者は二人だけなので、物語の世界観を観劇者に想像させるのは役者さんの技量になります。事前に原作を読んだ身としては、よくぞここまで覚えられたなと感じました。

 

本の文章と舞台の違いですが、舞台では役者の感情がダイレクトに伝わってくるということです。表情だったり、声の強弱だったり、アクションだったり・・。只々、見事で思わず涙してしまいました。

 

自分の身近な友人たちを全て原爆で失い、親友の母になじられ、もう生きているのが精一杯で、自分の幸せを諦めていた娘美津江に対して、父の竹造は娘の幸せを願って恋の応援団長を買って出た。

 

竹造が美津江に諭す場面があるのですが、「お前が生きているのは、俺に生かされているのだよ」みたいなセリフがあります。人は、(自分で)生きているのではなく、誰かに生かされているということ。

 

言葉の力って凄い、失意のどん底にいた娘美津江を明るく前向きに更生させることが出来るのですから・・。

 

ラストシーンで、美津江「今度いつ来てくれんなさるの?」に対し、竹造「おまい次第じゃ」のあと、美津江の「しばらく会えんかも知れんね」は

身ごもってしまうからを連想させる最高の返事でした。

 

最後、自然と涙が出て来るとても素敵な作品でした。菜美ちゃんと剣持さんの演技が最高だったなあ~。