コンピテンシーな人 | キャリアデザインのススメ

コンピテンシーな人

「コンピテンシー」は、ここ数年組織・人事関連ではキーワードになっています。諸説ありますが、「職務や役割において優秀な成果を発揮する行動特性」を持った人をモデルに、個々の従業員の行動実態と比較し、その結果を基に、評価・人材育成・採用・人材配置などの人事管理を再編して、組織全体の業績を高めようというアプローチを指していることが多いと思います。


このコンピテンシーを就職活動、転職活動に応用するとどうなるでしょうか。コンピテンシーをシステムとして導入している会社は決して多いわけではないですが、どこの会社でも何がしかの優れた従業員のイメージというのは形づくられているはずです。だから営業職で就職・転職しようとしている人ならば、「トップ営業マンの方のお話が聞けないでしょうか」「入社3~5年目ぐらいで高い業績をあげていらっしゃる方にお会いできないでしょうか」と投げかけてみるのは、その会社を知る上での一つのリトマス試験紙になります。


まず積極的にそうした投げかけに対応しようとする会社かどうかで、採用と人材活用に対する取り組み度合いがリアルにわかるわけです。そして引き合わせてくれた人は、いわば社内で“コンピテンシー”な人であるわけですから、その人が自分の数年後にたどり着きたいイメージと重なるか、そしてそこにたどり着くための努力は、自分の日常とフィットするかが検証できます。


できれば1人ではなく、複数人に会えると尚良いでしょう。売り手市場の現在は、こうしたアプローチが使える時期なのですが、売り手市場になったらなったで、より高いブランド企業へということばかりに意識を取られ、考えれば誰でもおもいつきそうなこうした事を、ついつい見過しがちになります。


実際の就職活動や転職活動では、このプロセスを欠いて、後悔する人が多いということ改めて考えてみる必要があると思います。