その昔おっさんは先輩から「自動車の故障修理は問診から入り、故障が再現できれば半分以上治ったのと同じ」と教えられました。
そんな事を思い出した先日。
最近あった謎の問診にオートマチック車が「ギヤを入れているのに反対方向に動いた」という相談が2件ありました。
1件目は「車がバックしないで前に進んでしまうので怖くて乗れないので見に来てほしい」との事で、お客様の所にお伺いして確認の為に車のエンジンを掛けて動かして見たのですが、症状は再現できずミッションオイルの量やエンジンルーム内には何ら問題もなく謎のまま引上げてきました。
2件目は電話で「エンジンを掛けて前に走りだそうとしたらメーターにランプが三つ位点灯して逆方向に動いてしまった」と相談を受けました。
その時のやり取りで「ブレーキがすごく硬かったんです」とお客様が言いました。
おっさんはその言葉から「それはもしかしてエンジンが掛かっていなかったのでは?」と返し、もう一度やり直してメーターランプ類が消えていて、エンジンが掛かっていることを確認して動かして見てくださいと伝えたところ「やり直したら治った」と連絡がありました。
いずれもシニアの方で駐車場所に少し傾斜がある状態でなので意思とは反対に動いたのか?
完全に言い切る事はできませんがエンジンが掛かっていると勘違いしていたのではないかと、おっさんは考えてしまいます。
(エンジンが掛かっていないとメーターランプが点灯)
然しなぜ同じ時期にこのような話が2件続いたのか?
数日前にあった台風のため?
音や振動が小さい最近の車はエンジンが動いているのが体感的にわからないのか?
運転者が高齢化になってきた為、このような事が起きるのか?
そんな事を考えていると、これからの時代はトラブルシュート受付時の問診がさらに難しくなっていくような気がします。
最近の自動車は故障が発生した時はフリーズフレームデーターなどが記録されますが、発生した時だけではなく飛行機の様に運転状態(自動車のドアを開けた時から)をすべて記録するような仕組みがないと、高齢ドライバー等からの修理依頼の時は問診時から我々は迷子になってしまうのではと考えてしまいます。
電子機器の発達した昨今、ドライブレコーダーとともに装置の状態を記録するレコーダーもあると問診はもっと簡単になるのではないかな~と考えます。