最近ではほとんど見る事がなくなった、業界では「エンジンから足がでた」といわれる事例です。
エンジンオイルの管理が悪かったり、オイルの過少な状態で使用すると、内部でメタルやコンロッドが破損して、クランクケースを突き破ります。
(メタルが壊れる原因としてはオーバーヒートもありますが、今回はその痕跡はありません。また余談ですが、エンジンオイルとエンジン内部は冷却水温より20~30度高くメタルの壊れる温度は150度位~とか?したがって昔の車の水温計は120度あたりまで目盛がふってあったとか? オイルの性能が低い昔のくるまですよ!)
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190624/19/oygjapan/ad/aa/j/o1280096014479598733.jpg?caw=800)
車の下から撮影しました。赤い丸の部分が足が出た穴です。
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20190624/19/oygjapan/ae/1c/j/o1280096014479598737.jpg?caw=800)
もう少しアップで。
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20190624/19/oygjapan/c7/85/j/o1280096014479598744.jpg?caw=800)
内部からは破損したコンロッドとピストンピンが出てきました。
強い力を受けて曲がってます。
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20190624/19/oygjapan/ae/7f/j/o0960128014479598750.jpg?caw=800)
とりあえずリビルトエンジンと交換という事でエンジンを下し補機部品をはずしてみると反対側にも穴が空いてました。
長年整備士をしてますが、左右両側に足が出たのは初めて見ました。
やはりブロックがアルミなのでこうなるのかな?
![イメージ 5](https://stat.ameba.jp/user_images/20190624/19/oygjapan/49/8a/j/o1280096014479598754.jpg?caw=800)
リビルトエンジンに補機部品を移植して、車にのせて、作業は無事に完了です。
ですが、
こうなると壊れた原因が知りたくなるのが整備士の性!
![イメージ 6](https://stat.ameba.jp/user_images/20190624/19/oygjapan/40/d6/j/o0960128014479598759.jpg?caw=800)
古いエンジンのバルブカバーを開けてエンジン内部の状態を見ます。
内部にはスラッジはほとんど見られず、きれいな状態です。
これから考えられるのは、オイル交換管理が悪いのではなく、オイルが入っていないか過少であったのではと思われます。
仮にエンジンオイルが少ない状態で使用したとすると、オイルポンプから一番遠い3番シリンダーから壊れるもの。
しかし今回は足穴の位置から2番目シリンダーの破損が著しく 思われるので、もう少し分解してメタルの状態を観察したいところですが、リビルトエンジンのお約束は古いエンジンを再生用に仕入れ先に戻さなければなりません。
先方はあまりあれこれ分解してしまうと正直迷惑との事。したがって今回は見送りとしました。
私がエンジンをみた時はエンジンオイルはほとんど入っていなかったのですが、破損で抜けたのか、初めから入っていなかったのか?本当の破損原因は謎です。