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★楽しく生きていこうよ★
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人生を変える『キッカケコトバ』
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前沢しんじ 2023/12/1(土)〔第1611号〕
●今日は民俗学的なお話・・・
母が通っているデイサービスの
職員さんが言った。
「今日前沢さん(母)に
面白い話を聞きまして。
なんか、
タヌキにだまされたことがあるって。
それってほんとうなんですかね」
「あ、ほんとうですよ」
「ええええーーー!?」
いまこの記事を読んで
くださっているかたも
「ウソやろ?」「まさか?」と
お思いでしょうなあ・・
いやいや、実はね・・・
●施設の人が聞いた話はたぶんこうです。
(ボケてるからおんなじ話を何回もする。
オレも何回も聞いてるもんね)
曰く、
この施設に来る途中の山道を
ちょっと入ったところに
おばあさんが住んでいる。
ある時玄関をとんとんとたたく
音がするので出てみたら、
子タヌキがいる。
腹をすかせたのかと思って
まんじゅうを一個あげた。
そうすると
一方の片手も差し出して来る。
「もう一個ちょうだい」と
言っているようだ。
そう思って子タヌキの後ろを見ると、
母タヌキがいるではないか。
どうやら「かあさんのぶんもちょうだい」と
いうことらしい。
で、二個あげた。
「タヌキはなんせ人を騙すからのぉ・・」
とまあ、そんなお話。
●さて、この話には長ぁ~い歴史の
伏線があるのです。
その昔、僕の知るかぎり昭和30年代か・・
ばばあの住む村は
山深い秘境のようなところ。
そこではたまに不思議な出来事が起きる。
伯母が橋を渡るつもりが
道を間違えて橋下に落ちたり
(怪我はなかった)、
また親戚のおじさんも
道を間違えて田んぼに落ちたり
(怪我はなかった)、
また、妻の父は林業を営んでいたが
あるとき道に迷って
進めども進めども同じ場所に
帰ってきたという
(結果的に帰れた)。
山に宿る不思議な力のなせる
ワザなのかどうかは不明だが
山深い村では時として、
人はなにかに方向感覚を
失わせられることがあるのだ。
それがたまたま、
タヌキは人をだますものという
伝説的なものと結びついて
「タヌキにだまされた」と
表現されたのではないか。
いわば都市伝説ならぬ村伝説。
●そういう経験をしてきたばばあが、
認知症のせいもあり、
山道を通ってデイサービスに
通う途中で、ふと昔のことを思いだし
タヌキのまんじゅうの話に代わったのだろう。
・・・というお話。
昔は不思議なできごとが
「神秘」のヴェールをまとって伝説になり、
それが伝播(でんぱ)していくに連れて、
まことしやかに物語化したのかも。
人は見えない力に畏怖しながらも
何か根源的な親しみを
抱くことがあるようで、
現代においても
「パワースポット」に誘われる気持ちは
その証左だろう。
とまれ、見えないからと言って、
それが存在しないということにはならない。
我々には知らない世界がまだまだある、
というより知らない
ことだらけといってもいいでしょう。
嗚呼、
人の世は不思議で面白いものです。
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