「ヒロシマ・ナガサキを世界に伝える」挑戦 | 019|まる・いち・きゅう

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丸い地球をまわりながら考えていることの記録

フィラデルフィアは着実に冬に向かっています。ここのところ気温は一桁。ぼちぼち雪が降りそうです。そんな時期になってやっと、やっと落ち着いてこの夏に起きた様々な事を振り返っています。

まずは小林美晴さんと池田穂乃花 さんと取り組んだ「ヒロシマ・ナガサキを世界に伝える」について。8月の日本一周クルーズでのことです。

被爆者と一緒に世界に核兵器の非人道性を伝える「おりづるユース特使」の取り組みはこれまでもやってきました。今回は「被爆者なしで、通訳なしで、自分たちで世界に発信する」を目指すという、非常に野心的な、ピースボートとしても初の取り組みでした。
このような取り組みが直面する課題は、私が思うにふたつあります。

ひとつは当事者でない人間が語るとなった瞬間に、聞く側の「なぜなんのために私たちはその被害を知るべきなのか」という視点がシャープになること。国によって様々な語られ方をされている原爆投下という出来事の「いったい何を伝えたいのか」が被爆者の人が語る時よりも厳しく問われます。

もうひとつは自分が経験していないことをどのようにヒューマンストーリーとして伝えることができるかということ。目の前にいる被爆者が自分が体験したこととして語るから重みがある被爆証言。それを被爆者でない人間はどう伝えられるのか。

二人の文章には、それらへの糸口が書かれているように思います。ぜひ読んでみてください。

◆それでも伝えるには~加害と被害の先のヒロシマ・ナガサキ~(小林美晴さん)
https://hibakushaglobal.net/2019/11/07/miharu/
◆被爆者でなくても伝える~「被爆体験を継承する」ことへのヒント~(池田穂乃花さん)
https://hibakushaglobal.net/2019/11/07/honoka/
二人にアドバイスをするというよりも、二人と一緒に悩むことのほうが多かったですが、今回この挑戦に一緒に取り組んでくれた穂乃花ちゃんと美晴ちゃんには感謝をしています。また何か一緒にできたらと願うばかりです。
またこのプロジェクトをやるにあたってご支援してくださったおりづるの会のみなさま、本当にどうもありがとうございました。