東日本大震災・海外では | 019|まる・いち・きゅう

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丸い地球をまわりながら考えていることの記録

Earthquakes and Tsunami hit Japan in March, as you all know. Although you may not find any reports on Japan on the front page of BBC website anymore, that does not mean that things have been all solved, that people have regained their ordinary life, and that nuclear power plants have calmed down. May I please ask you not to forget that your thought and prayer are still needed and will be appreciated in Japan?

4月上旬に書いたものなので少し古くなってしまいましたがせっかくなので震災についての記事をアップします。報道というものは止むを得ずというべきか一過性のものが多く、こちらでは日本についての報道は震災直後とは比べられものにはならないほど少なくなってしまいました。ただ、日本にいる知り合いの多くからは未だに思うように進まない復興作業の現実を聞きます。報道が下火になっても日本を応援し続けてくれるように海外にいる私たちもできることを見つけていかねばいけませんね。私たちの世代が真にグローバルな人とのつながりを築いてくることができたのかがこれからこそ試されてくるのだと思います。


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日本を襲った史上最大規模の地震と津波そして原子力事故。母国から送られてくる数々のニュースを見ながら、被害に遭われた方々を思っては胸が痛む。遠く離れたイギリスの地にいることを歯がゆく感じつつも、今の私にできることはみなさんに海外での反応をお伝えすることかと思う。震災後インターネット上で発表されたメディアの記事や専門家の意見等から露になるのは海外では以下の3つのことが特に注目されているということである。

まずは原発の動向について。福島原発の最初の水蒸気爆発あたりからメディアの報道は一気に原発に集まった。今後のエネルギー政策をも左右しかねない事態に原発が少なくない欧米では注目が集まったようだ。個人的にはこの問題が非常に重要だとは認識しつつも原発問題だけに紙面が割かれることによって報道されにくくなってしまった被害者の実態があるということには複雑な念を抱いている。

第二は日本の市民社会の落ち着きと前向きさに対する賞賛であろう。海外では一般の人々の実態はメディアを通してしかわかり得ない。したがってそもそも市民が落ち着いて前向きだという解釈そのものが的確かという疑問を抱く人もいるが、非常事態でも思いやりをもちつつ整然とし、早くも復興活動に励む人々の姿は海外の人々を感嘆させたようだ。

一方三点目として、日本のリーダーシップの欠如を指摘する声も多々あった。法や決まりに固執するあまり柔軟な対応ができず、燃料不足が支援活動を妨げたり、その場しのぎではない長期的な視野からの復興計画の提示がなかったりという点がそのような主張の裏づけになっているようだ。

ただ、草の根レベルでは日本を何とかして支えたいという人々の意識がある。ケンブリッジでは3日に渡る街頭募金でおよそ150万を集めることができた。これまで出会った世界各国の友人からも大学でチャリティーイベントを行ったという声をたくさん聞いた。グローバル化で盛んになった国際交流がこれほど前向きな力になりうるという事実に励まされた。

時代の強みを生かして今後どのような日本を築いていくべきかを私たちの世代は考えていくべきなのだろう。

最後になりましたが、犠牲者の皆様のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに一人でも多くの方が安心した日々に戻れますよう切に願っております。

(「SAITAMAねっとわーく」5月号より)