がん治療の過程において、病状の進行につれ、
様々な症状が見られるなか、
「癌性発熱」は、がんの進行期に最もよく見られる症状のひとつだと言われ、
腫瘍の急速な増殖と組織の壊死による吸収熱によるものと考えられます。
中医学では、
癌性発熱を「内傷発熱」の範囲に分類しています。
その原因は、癌性発熱はがん細胞に起因する内傷で、
臓腑の陰陽のバランス失調や気血不足のため、
水湿(体内の水分の巡りが滞っている)と
瘀血(血液が流れにくくなり、からだの中に滞っている)が
体内に停滞する病理過程と考えられています。
末期のがん患者さんは、
正気(免疫力)」が不足し、邪気(病気を引き起こす病因)が散らず、
脾胃の運化(吸収と消化機能)が低下することによって、
体内に湿気が停滞して熱化し、
湿熱が交阻するため、体熱や汗を出しても熱が退かないです。
癌性発熱の症状は、
大抵は低熱と、潮熱いわゆるいつも同じ時間に発熱が起きたり、
熱勢が強くなる症状が交互に現れ、
また情緒の波動が誘因によるもやもやの不快感で、落ち着かなく、
便秘などの症状も見られます。
癌性発熱のある患者さんは、
通常低熱を発症し、大体38℃前後の体温で、
昼後の体温上昇が多く、
夜間は自然に汗を出して熱を下げることがよくあります。
長期の熱は患者の体力を大きく消耗し、
体力低下、食欲減退など、身体の抵抗力が急速に下がり、
免疫力が低下することによって、悪性循環が起こり、
腫瘍の増殖を加速してしまいます。
そのため、患者さんは疲労感、重ったるい、食欲不振、
暑さに苦しむなどの症状が現れると同時に、
咳、痰が出る、胸痛などの症状も見られます。
癌性発熱の緩和に最も重要なのは、
病因を迅速に見つけ出し、対応する治療法を行い、
患者さんの良い生活習慣の維持や栄養と運動を強化し、
身体の抗病力(免疫力)を高めるべきことです。
癌性発熱の治療には、解熱剤、抗生物質、抗腫瘍薬などが
よく使われています。
中医学による癌性発熱の治療は、
癌性発熱は邪気が内部に滞在して、悪寒と熱感が交互に繰り返す
いわゆる半表半裏の間に停滞するから、
発熱、、嘔吐、咳、のどの渇き、食欲不振など
様々な症状が見られます。
これらの症状は中医学では、少陽陽明経の病気になるので、
治療は「和解表裏(表裏失和の証を解除する治法)」を原則とします。
病状を鑑別し、漢方薬の大柴胡湯、補中益気湯を基本方として
治療に用いる場合が多いです。
病状や体質の個人差によって漢方薬の利用が異なります。
必ず漢方医や漢方に詳しい専門家にご相談の上ご利用ください。
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