ご縁があって、新橋演舞場で上演されている歌舞伎「NARUTO」を観せて頂いてきました。


前回の「ワンピース」は大評判でしたよね。
私が演劇を志すきっかけになった扉座の横内謙介さんが脚本だったこともあり興味津々だったのですが、チケット取れないよなあと諦めておりました。

今回は私もアニメ版では夕日紅役で参加させて頂いた「NARUTO」、忍びの話だけに和テイストの役が沢山あるので歌舞伎に馴染みやすいかも、とワクワク。

実は私20代の頃歌舞伎にどハマりしてました。
きっかけは、バイトしていたパルコ劇場で毎年行われていた、代市川猿之助さんを座長とする

澤瀉屋の公演でした。

印象に残っているのは「義経千本桜」。(どうもあれから狐系に愛着を持つようになったような・・。)
バイトを辞めてからも、歌舞伎座や国立劇場、新橋演舞場に毎月通ってました。結構1等席で観ることが多かったような・・昼夜が違う演目ですから、一ヶ月で3万円。若いのになんでそんなお金があったのだろうとも思いますが、あの頃はあまり飲むこともなかったのでした(笑)

新橋演舞場に来るのはスーパー歌舞伎を観て以来、多分15年くらいぶりでした。
自宅からは比較的近いのですが、歌舞伎座と違いちょっと奥まったところにありますしね。
自分でも驚くくらい懐かしかったです。


劇場は大賑わい。あのキャパの劇場が毎日こんなに賑わうとは、新劇の人間には羨ましい限りです。

感想は羅列すると・・

●とにかくキャストスタッフの体力に拍手!
立ち回りも、後半の舞台装置の仕掛けも、非常に体力を消耗するものでした。あれを4時間、昼夜の間1時間半だけで2回やるって・・私なら1日やったら1週間ぐったりしそうです。
この公演、役者のお知り合いの方は、昼公演観終わっても楽屋行かないであげて!休ませてあげて!と思いました。
さらにスタッフさんは絶対昼夜の間休憩できないはず・・(終盤の大じかけの処理がかなり大変なはず)ほんとに皆さん、お疲れ様です!

●NARUTO役の坂東巳之助さん、初めて拝見したのですが、ちらほら喉の調子を悪くしてる方もいる中(個人的には無理もないと思います)、
直情径行なキャラ、しかも主役なので、張りまくるセリフが多いのに、喉を保っていらっしゃいました。尊敬。

●サスケ役の方、華あり。サスケとイタチの殺陣はキレキレで楽しかったです。

●笑三郎さんの大蛇丸、ハマり役。
笑三郎さんは私がバイトしてた時代から、癖のある女形や老けもできてとにかく腕がある!というイメージの方でした。ぴったりすぎ(笑)

●自来也の猿也さん、達者!
説明台詞がどうしても多いので、ちょっとテンポが停滞するとこもあるのですが、達者な猿也さんはサクサクサクー!と洒脱な台詞回しなので舞台が弾む!
この方もパルコ時代から(当時はあちらも若手だったはず)めちゃめちゃ達者な方でした

●鬼鮫役の方の声の通りとお芝居がとても良かった!(ただ、この方は歌舞伎の人ではありませんでした)

●カカシ先生の衣装は役者泣かせ。
顔もほぼ見えないし、1番痛いのは口元が覆われていること( ; ; )どうしてもセリフが不明瞭になっちゃいますよね。

●ツケ打ちさんはやはりかっこよい。
普通の歌舞伎の時も思っていましたが、ツケ打ちって気持ちいいだろうなあ!やってみたい!

気になったのは・・ナルトの「だってばよ」。
アニメや原作と同じにする必要はないと思うのですが、母とのくだりで、共通するこの言い回しで親子である、と確認し合う場面があるのですよね。でもナルト君、「だってばよ」って数回しか言ってなかったような(笑)


そして、全体に台詞がかなり聞き取れないのは気になりました。結構喉をいためちゃってる方が多かったのかな・・
アニメを知っている人なら耳慣れた語句も、アニメを知らない人はただでさえ耳で聞くだけではなかなか聞き取れないはず。
二階席の前から三列目でいい席だったのですがかなり聞こえないセリフがあったなあ・・ 
マダラが顔を隠している時だけ、マイクつけてたかかなり音を拾ってた(もしくは録音??)と思うのですが、とってもクリアでノーストレスでした。
うーん。こういうテイストの作品なら全部がっつりマイクつけちゃダメなんですかねえ。
役者さんも無理に張って喉潰す心配がなくなっていいと思うんだけどな。
自分が喉が強くないので、ずーっと心配でドキドキしちゃいました。


とはいえ、全体に楽しく観せて頂きました。
またふつうの歌舞伎も見たくなってきたなあ。