人間の性質なんて、どこも同じだろう、だから全世界にあるだろう、と思っていた「引きこもり」。これは、どうやら日本が発祥らしい。そして、日本でしかなかなか見られないらしい。外国人がそんな人がいるのか、とびっくりしていた。

 

家や、自室から出ないという状態で、孤独ともまた違うとは思う。英語でも「hikikomori」とあるぐらいだから、あながち嘘でもなさそうだ。

 

最近は全世界で見られるらしい。今やインターネットの発達で、部屋から出ずして、買い物もできれば、お金まで稼げてしまう時代である。しかし、日本のひきこもりはそんなインターネットが発達する前から存在していた。

 

なんでそんなことになったのか??ちょっと考えてみた。

 

僕の感覚だが、日本は会社勤めの人が多いから、というのが一つあるかと思う。もし、自分の家がお店だったり、農家だったり、家族内で誰かが、フリーランスなどをしていれば、その仕事をちょっと手伝うことができる。例えば、段ボール1つを運んだだけでも、仕事をしていることになる。そうしたら、解釈上、ひきこもりではない。ただの怠けものである。

 

しかし、会社勤めの場合、勤めている人以外に仕事を頼むことは一切ないし、できない。たとえ自分より、それがうまくできたとしても、とても簡単だったとしてもだ。だから会社員以外の人は、学生、主婦でもなければ、自動的にニート、引きこもり扱いになってしまう。

 

ではなぜ会社勤めが多いか、というのだが、安定志向や、会社員化推進のために、社会保障制度が会社員有利にできている(税金面では不利だが)という点がある。日本では仕事内容よりも「どこの会社に勤めている」というのがステータスを表す指標の一つになっていること、「正規職員」「非正規職員」への意識の違いに見られる「正規職員」への志向の強さから、「会社勤めがいいという信仰」からきているのか、とも思う。

 

バブル時代、世界第1位の経済大国になった。そして、その後就職氷河期で、転落していく。この中で、引きこもり化した人もいただろう。不況は多くの国が経験することだけれど、日本には世界1位になる仕事があって、その仕事が突然なくなった。世界1位になった国はプライドが高い。なんでも仕事を選ばず、などできるわけもなく、自信も失って、行き場も失って、引きこもりっていうのもあるのかなぁ。

 

世界1位だった時に学生時代だった人は、将来に対して違う像を描いていたのかもしれない。

 

韓国も会社勤めへの意識に関しては、日本と似ているかもしれないけれど、世界1位になったことはない。

 

こんな日本特異の事情から、引きこもり元祖になってしまったのか、ともちょっと思ってしまうのだ。