「本日限定」とか「あと残り何個」というので、早く買ってもらう、というのはたぶん商売の常とう手段だろう。こんなことは誰でも知っている。

 

でも、航空会社のサイトで、「この料金であと何席」とか出ていて、ああ、早く買わないと、とより焦ってしまうのは、僕だけだろうか??

 

ホテルなどの予約サイトでも、あと1室、などは出てくるのだけれど、これはあまり焦らない。ホテルなどは無数にあるから、別にそこでなくてもいい。なくなったらそれまでだ。

 

しかし、飛行機となると、そうそう多くはない。特にスクリーン上で「あと何席」とみると、余計焦りが深まる気がする。ほかに日本中(あるいは世界中)何人もの人が同じものを取ろうとしているような気になってしまう。

 

わかってはいるけれど、この焦らせ商法(かどうか)結構あくどいよなぁ、と思う。焦って買ってあまりいいことはない。それに航空券の取消料はとても高い。旅行もしていないのに何万円もかかる。

 

ある航空会社は、航空券をWEBで買って、最後に確認画面がないものがある。この最終確認画面とは、今まで入力したものを最終的に「本当にこれでいいの??」と確かめる画面だ。

 

航空券を買うのも確認事項がとても多く、神経がくたびれる作業だ。行き先、日付、時間、料金のほか、預ける手荷物をつけるかどうか、国際線ならさらに名前のスペル,パスポート番号、生年月日だ。家族分なら人数も多く、自分のではないから、生年月日はいつだっけ?ということになり、気がカリカリしてくる。生年月日とかパスポート番号、予約にいる??という気もする。

 

名前のスペルが1文字でもパスポートと違えば、搭乗できないことにはなっている。ただ、旅行会社で働いていた3年間、このために乗れなかったケースは知らない。当時もお客から書面でスペルをもらって、旅行会社の職員が入力していたから、間違いがないわけはないから、そんなことないのかもしれないけれど、「間違えました」だと予約を取り消して、取り直しだ。

 

この確認画面がないのは、わざとか??とも思う。間違えて入力したのを気づかず確定させる。そしてあとで間違いがわかって取り直すと、取消料を請求する。実際これで日付を間違えて取消料払った人を知っている。

 

旅行会社や航空会社はキャンセル料金で儲ける、というのがある。

 

20年前、旅行会社で働いていた時のこと。例えば5万円の香港行きの航空券を売ったとする。お客がこれで実際飛行機に乗ってしまえば、4千円ぐらいの儲けしかない。しかし、出発の3週間前に航空券をキャンセルすると、2万円の手数料。この2万円はまるまる旅行会社の儲けとなる。キャンセルはすごくもうかるのだ。

 

今は航空会社直販が増えているから、キャンセル料はそのまま航空会社の儲けだろう。

 

人対人であれば、業者側も確認の責任があるけれど、WEBならすべて自己責任。たとえ1分前にやった予約でも、取り消したら取消料である。

 

こんな焦ったときは、第3者の目が役に立つ。僕の場合は妻である。「ああ、席がもうすぐなくなりそうなんだけど」と言ったら、「ちょっと待て」といってくれる。

 

焦らせてこそ、経済が回るのかもしれないが、そこまでして経済回さなくても、もっと凪いだ心で買い物をしたいものだ。

 

結局、検索した時点であと残りもう少しで終わりなら、本当に終わりであれば検索結果に出てこなかったので、なかったのも同然なのだから、焦ることもないのだけれど。