ある同僚が軽い調子で「新婚旅行、どこがいいですかねぇ~」と聞いてきた。彼曰く、「海外もいいですけど、今円安で高いし、飯もあまりうまくない。それなら、海外にかかる飛行機代を、ホテルや飯代に回して、北海道か、沖縄がいいですかねぇ」と言っていた。
彼が言っていることは事実。海外は好き嫌いもあるし、言葉や食事の不便さもある。北海道や沖縄の素晴らしさも知っている。海外勧めて大したことなかったら申し訳ない気もする。
「う~ん、そうだなぁ、人それぞれだからなぁ」とまるで答えになっていない。何も浮かばない。まるで相談のクズである。僕は何も考えてないんだろう。
で、彼は他の人にも聞いていた。ある人が「バリだよ」といった。「沖縄と何が違うんですか??」と聞かれて、その人は「レベチ(レベルが違う)だよ」と答えて、激しく同意する。
僕もアジア、オセアニアを回ったところで、どこがよかったか、と思い返せば、バリだ。ゴールドコーストやプーケットを蹴散らすレベルだと思う。1か月バリを自転車でツーリングし、家族でも3回行っている。
今でも、1泊3千円くらいのロスメンに泊まっても楽しめると思う。
でもこれは、北海道や沖縄の素晴らしさのレベルが、バリとレベルが違うという意味ではない。
北海道や沖縄なら、いつでも行ける。今からこの週末にでも行くか、もできる。それだけ素晴らしいところがいつでも行けるのは素敵だけれど、それだけ希少性が落ちる。「だって、すぐ行けるじゃん」となってしまう。
LCCであれば、沖縄、北海道は往復2万円くらいか。対してバリは6万はかかりそう。日程も最低が沖縄が2日なら、バリは6日。両方とも3倍はかかる。
いくらだいぶ休みがとりやすくなった世の流れとは言え、困難さが違う。
まわりをとりまき、流れる空気も全然違う。それはバリが沖縄よりいいというわけではないのだが、とにかく違う。住んでいる人たちは日本人じゃなくて、遠く離れた異国の人たちだ。こういう人が、この空気を作り出す。これはやはり離れたところじゃないと感じられない。
それは、僕にとっての房総と沖縄の違いをもっと拡大したものだ。本質的に言えば、房総と沖縄、素晴らしさに差異はないかもしれないが、千葉県に住む僕にとって、日帰りで行けるところと、飛行機じゃないといけない所は、レベチである。
海外に興味ない、国内がいい、お金がない、日程が取れないというのならそれでいいけれど、とれるのなら、レベチな所に行ってみては??と思う。