まずは気象概況です。上空寒気や湿った空気の影響で、北日本から西日本の広い範囲で大気の状態が非常に不安定になっています。日本海の低気圧のように、前線を伴わない低気圧の上には上空寒気がありますので要注意です。既に広い範囲で雷注意報が出ています。落雷、突風、急な激しい雨にご注意ください。雷鳴が聞こえたら直ちに稜線を降りて、高い木から4m以上離れましょう。明日までは大気が不安定な状態が続く見込みです。
さて、木曜日に更新されている気象庁の１か月予報、本日の気象庁の週間予報、および各国の予報資料によりますと、東・西日本はようやく今週21日頃に梅雨入りしそうです(九州南部と四国はすでに梅雨入り)。黄海で相次いで発生する高気圧が梅雨前線の北上をはばむため、記録的な梅雨入りの遅さになります。いくら予報技術が進歩しても、この時期は年間を通じて最も予報が当たらないので、常に最新の予報のご確認をお願いいたします。雨予報が晴れて、思わぬ拾い物をするかもしれません。以下に気象庁の週間予報と１か月予報の内容と根拠をまとめてみます。
気象庁HP 週間天気予報
気象庁HP 季節予報 (上のタブで気象要素、下のタブで期間を選択)
※詳細予報資料はすべてSunny Spot専門天気図にあります。
＜6/17(月)＞
黄海の高気圧の勢力が弱まり、梅雨前線が九州南岸まで北上してきます。東北南部、東日本、近畿、中国は気圧の尾根が残って概ね晴れますが、沖縄・奄美、九州、四国は梅雨前線付近の湿った空気の影響で概ね雨。東北北部と北海道は上空寒気の影響で大気の状態が不安定な状態が続きます。
＜6/18(火)＞
梅雨前線上の低気圧が本州南岸を東に進み、サハリン付近に低気圧が進んできます。梅雨前線や低気圧の影響で全国的に雨が降る所が多いですが、東北北部では晴れる所もある見込みです。西日本や東日本太平洋側を中心に大雨になる可能性がありますので、最新の気象情報にご注意ください。
＜6/19(水)＞
黄海の高気圧が日本海から北日本付近に進みます。北日本から西日本は高気圧に覆われて概ね晴れ。高気圧に押さえつけられて梅雨前線が南下するため、沖縄・奄美は概ね雨。
＜6/20(木)＞
高気圧は日本の東に進み、梅雨前線が九州付近に伸びてきます。東日本と北日本は上空の気圧の尾根になるため概ね晴れますが、西日本は西の方から天気が下り坂。梅雨前線に近い奄美は曇りや雨、沖縄は概ね晴れ。以降、奄美は曇りや雨、沖縄は概ね晴れ。早ければ沖縄は梅雨明け発表の可能性があります(沖縄の梅雨明けの平年値は6月21日頃)。
＜6/21(金)～6/22(土)＞
梅雨前線が西日本から東日本にのびて、前線上の低気圧が通過します。梅雨前線や低気圧の影響で、西日本と東日本は雨が降る所が多いです。北日本も雲が広がりやすく、雨が降る所がある見込みです。広い範囲で梅雨入りの発表がありそうです。
＜6/23(日)＞
低気圧は日本の東を北東に進み、梅雨前線は東・西日本に停滞します。梅雨前線付近の湿った空気の影響で、北日本から西日本は曇りや雨の天気になりそうです。
※週後半のお天気は予報の信頼度が最低ランクのCになっているところが多いです。お出かけ前には、最新の気象情報のご確認をお願いします。
＜１か月予報 ２週目(6/22-6/28)＞
太平洋高気圧が西に張り出して沖縄・奄美を覆うため、沖縄・奄美は梅雨明けしそうです。一方、梅雨前線の北上に伴って、本州付近に湿った空気が入りやすくなり、西日本を中心に多雨傾向の予報です。いよいよ大雨シーズンの始まりです。気温は全国的に高温傾向の予報です。
＜１か月予報 ３・４週目(6/29-7/12)＞
フィリピン付近の対流活動が活発なため、数値予報では梅雨前線が東北南部まで北上する予想ですが、不確実性が大きいため気象庁からは全国的にほぼ平年並みの天候の予報が発表されています。北日本から西日本は平年同様に曇りや雨が多く、沖縄・奄美は平年同様に晴れの日が多い見込みです。気温は引き続き全国的に高温傾向の予報です。
ただし、フィリピンの東の海水温が平年より高い予想になっているため、数値予報通り梅雨前線の北上が早まる可能性はありそうです。
【地上天気図】(週間アンサンブル予報図FEFE19)
上段：6/18-6/20、下段：6/21-6/23
ハッチング部は前24hに5mm以上の降水量が予想されている領域
【85hPa気温推移】(週間予報支援図(アンサンブル)FZCX50)
上から北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美の代表地点の気温偏差
【１か月予報 気温の予報】上：１か月平均、下：週別
【１か月予報 降水量の予報】
【１か月予報 日照時間の予報】
