まずは気象概況です。日本付近は太平洋高気圧に覆われて晴れている所が多いですが、上空寒気や湿った空気の影響で不安定な天気になっています。現在、東日本から奄美までの広い範囲で雷注意報が出ていますが、11日にかけて全国的に大気の状態が非常に不安定な状況が続きますので、落雷、突風、急な強い雨にご注意ください。雷鳴が聞こえたら直ちに稜線を降りて、木から4m以上離れましょう。

 

 

 

 

さて、木曜日に更新されている気象庁の1か月予報、本日の気象庁の週間予報、および各国の予報資料によりますと、向こう1か月は残暑が続く見込みです。ただし、JAMSTECの季節ウォッチによると、この残暑の原因の一つである「正のインド洋ダイポール」は9月をピークに冬には収まる予想ですので、10月に入るとようやく秋らしくなってくるかもしれません。

 

また、今週は日本海の秋雨前線や気圧の谷の影響で、東日本太平洋側以外は雲が広がりやすい天気が続きそうです。以下に気象庁の週間予報と1か月予報の内容と根拠をまとめてみます。

 

気象庁HP 週間天気予報
気象庁HP 季節予報 (上のタブで気象要素、下のタブで期間を選択)
※詳細予報資料はすべてSunny Spot専門天気図にあります。

 

<9/11(月)>

北日本から西日本は太平洋高気圧の縁辺の湿った空気の影響で大気の状態が不安定となり、雲が広がりやすく、雨が降る所がある見込みです。沖縄・奄美はトラフ(上空の気圧の谷)の西側の乾燥した空気が入るため概ね晴れ。

 

<9/12(火)>

北日本付近から日本海に秋雨前線が停滞します。その影響で北日本、東日本日本海側は雲が広がりやすく、北日本を中心に雨が降る見込みです。東日本太平洋側も雲が広がりやすいですが、関東甲信を中心に晴れる見込み。西日本は南からの湿った空気の影響で、太平洋側を中心に雨が降りますが、日本海側では晴れる所もある予報です。沖縄・奄美は概ね晴れ。

 

<9/13(水)~9/14(木)>

引続き北日本付近から日本海に秋雨前線が停滞します。前線から離れた東日本太平洋側は晴れますが、前線に近い北日本、東日本日本海側では雨が降る予報です。湿った空気の影響で、西日本と沖縄・奄美も雲が広がりやすい天気になりそうです。

 

<9/15(金)>

秋雨前線の活動は次第に弱まります。前線に近い北日本、東日本日本海側は概ね曇り、東日本太平洋側、西日本、沖縄・奄美は概ね晴れる予報です。

 

<9/16(土)~9/17(日)>

トラフ(上空の気圧の谷)の接近によって、全国的に雲が広がりやすい天気の予報が出ています。

 

 

※週後半のお天気は予報の信頼度が最低ランクのCになっているところが多いです。お出かけ前には、最新の気象情報のご確認をお願いします。

 

<1か月予報 2週目(9/16-9/22)>

正のインド洋ダイポールの影響で、日本付近で偏西風が北に蛇行するため、全国的に暖かい空気に覆われやすく高温傾向の予報。かなり気温が高くなる(10年に一度の暖かさ)所もある見込みです。天候は、秋雨前線の影響を受けやすい北日本で多雨傾向、その他の地方では平年並みの予報です。

 

<1か月予報 3・4週目(9/23-10/6)>

引続き全国的に高温傾向の予報ですが、気象庁の1か月予報資料では正のインド洋ダイポールが不明瞭になってくるため、季節外れの高温傾向は収まってくるのではないかとみています。天候は、全国的に気圧の谷や湿った空気の影響を受けやすいため、やや多雨傾向の予報です。秋雨前線の動向にご注意ください。

 

 

 

【地上天気図】(週間アンサンブル予報図FEFE19)
上段:9/12-9/14、下段:9/15-9/17

ハッチング部は前24hに5mm以上の降水量が予想されている領域

 

 

【85hPa気温推移】(週間予報支援図(アンサンブル)FZCX50)

上から北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美の代表地点の気温偏差

 

 

【1か月予報 気温の予報】上:1か月平均、下:週別

 

 

【1か月予報 降水量の予報】

 

 

【1か月予報 日照時間の予報】