まずは気象概況です.東北南部に前線を伴わない低気圧があって,その上空の-36℃以下の寒気を伴う気圧の谷とともに,東北南部や北陸付近を通過中です.そのため,東北・東日本の日本海側は大気の状態が不安定になって,落雷や大雪になっている所があります.16時現在,長野県北部に大雪警報が出ています.北日本日本海側と北陸を中心に明日にかけて大気の状態が不安定な状態が続きますので,落雷,突風,急な強い雨や雪(山岳では吹雪)にご注意ください

 

 

 

さて,木曜日に更新されている気象庁の1か月予報,本日の気象庁の週間予報,および各国の予報資料によりますと、12/26頃に強烈な西回り寒波が来る見込みです.中緯度に北極の寒気が南下しやすくなる「北極振動マイナス」の状態になるためです.年末年始に関してはまだ北極振動の予想が不確実なため,今後の推移を監視していく必要があります.

 

以下に気象庁の週間予報と1か月予報の内容と根拠をまとめてみます.

 

気象庁HP 週間天気予報
気象庁HP 季節予報 (上のタブで気象要素、下のタブで期間を選択)
※詳細予報資料はすべてSunny Spot専門天気図にあります,

 

<12/20(月)>

北日本から西日本の日本海側は寒気の影響で雲が広がりやすく,北日本や北陸は雪や雨が降る所が多いです.太平洋側と沖縄・奄美は概ね晴れ.

 

<12/21(火)>

日本海の低気圧が発達しながらサハリンと北海道の間を通過し,オホーツク海に進みます.また,低気圧から伸びる寒冷前線が北日本を通過し,北日本中心の冬型気圧配置になります.北日本と,東日本日本海側は寒冷前線や寒気の影響で雲が広がりやすく,日本海側を中心に雪や雨が降ります.東日本太平洋側と西日本は高気圧に覆われて概ね晴れ.沖縄・奄美は前線帯に湿った空気の影響で曇りや雨.以降,沖縄・奄美は週末まで前線帯の湿った空気や寒気の影響で曇りや雨が続く見込みです.

 

<12/22(水)>

オホーツク海のに進んだ低気圧が更に発達し,北日本中心の冬型気圧配置が強まります.北日本の日本海側を中心に荒れた天気になりそうです.前日と同様の天気ですが,北日本日本海側では暴風雪になる可能性がありますので,最新の気象情報にご注意ください.

 

<12/23(木)>

やや緩むものの北日本中心の冬型気圧配置が続きます.前日と同様の天気予報が出ています.

 

<12/24(金)>

低気圧が東シナ海から西日本の南海上に進みます.また,日本海には気圧の谷ができる見込みです.低気圧や気圧の谷の周辺の湿った空気,寒気の影響で全国的に雲が広がりやすく,北・東日本の日本海側は雪や雨,九州南部では雨が降る予報が発表されています.

 

<12/25(土)~12/26(日)>

シベリア高気圧が東シナ海に向かって張り出し,日本付近は強い冬型気圧配置になります.豪雪をもたらすJPCZ(日本海寒気団収束帯)がかなり明瞭に予想されているため,大雪に対する心積もりが必要と思います.最新の気象情報と雪の降り方にご注意ください.山岳では日本海側を中心に荒れそうです.

 

※週後半のお天気は予報の信頼度が最低ランクのCになっているところが多いです.お出かけ前には、最新の気象情報のご確認をお願いします.

 

<1か月予報 2週目(12/25-12/31)>

極渦(北極の上空の低気圧)がサハリン付近まで南下するため,全国的に寒気の影響を受けやすく低温傾向の予報です.北日本から西日本の日本海側は多雪傾向で,北・東日本の日本海側を中心にかなりの大雪になる可能性があります.

 

<1か月予報 3・4週目(1/1-1/14)>

数値予報のバラツキが大きく予報は不確実ですが,西回り寒波になりやすい傾向のため,沖縄・奄美と西日本で低温傾向の予報です.不確実性を考慮して,天候は全国的にほぼ平年並みの予報が発表されています.

 

 

【地上天気図】(週間アンサンブル予報図FEFE19)
上段:12/21-12/23、下段:12/24-12/26

ハッチング部は前24hに5mm以上の降水量が予想されている領域

 

 

【85hPa気温推移】(週間予報支援図(アンサンブル)FZCX50)
上から北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美の代表地点の気温偏差
ピンク:平年より2℃以上高い、青:平年より2℃以上低い

 

 

【1か月予報 気温の予報】

 

 

【1か月予報 降水量の予報】

 

 

【1か月予報 日照時間の予報】

 

 

【1か月予報 降雪量の予報】