まずは気象概況です．昨年の好天をもたらした移動性高気圧は本州付近から東に進みつつあり，晴れている所もありますが，トラフ(上空の気圧の谷)の接近の影響で雲が広がりやすくなっています．今夜には低気圧が発達しながら中国東北区に進み，全国的に天気は下り坂．明日は低気圧から伸びる温暖前線と寒冷前線が通過し，まとまった雨が降る見込みです．寒冷前線通過前は南から暖湿気が入るため、3000m稜線付近まで雨になりそうです．寒冷前線通過後は西の方から冬型気圧配置になり，24日にかけて西回りでこの時期としては強い寒気が入り，北・東日本の日本海側の山岳を中心に強風や吹雪などの大荒れになる恐れがあります．慎重な行動をお願いいたします．
さて，木曜日に更新されている気象庁の１か月予報，本日の気象庁の週間予報，および各国の予報資料によりますと、向こう１か月は西回りで寒気が入りやすい状況が続きます．11/11の気象庁のエルニーニョ監視速報によると，すでにラニーニャが発生しているとのことです．ラニーニャの場合は西回りで寒気が入りやすいため，西の山岳ほど平年より気温が低くなりそうです．また，西風が主体になりやすいため，日本海からの西風を直接受ける山岳では，寒気が入るタイミングで大雪になる可能性があります．最新の気象情報にご注意ください．以下に気象庁の週間予報と１か月予報の内容と根拠をまとめてみます．
気象庁HP 週間天気予報
気象庁HP 季節予報 (上のタブで気象要素、下のタブで期間を選択)
※詳細予報資料はすべてSunny Spot専門天気図にあります，
＜11/22(月)＞
気象状況は冒頭に書きました通りですが，低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が入るため，大気の状態が不安定となり，北日本～西日本の太平洋側を中心に大雨になる所がある見込みです．雨の降り方にご注意ください．また，気圧の傾きが大きくなるため，稜線付近での強風にも注意が必要です．
＜11/23(火)＞
日本付近は冬型気圧配置が強まり，850hPaの-3℃線が東日本から西日本まで南下します．北日本～西日本の日本海側は寒気の影響で雨や雪が降る所が多いです．太平洋側は晴れる所もありますが，寒気の影響で雲が広がる所もあります．沖縄・奄美も寒気の影響で概ね曇り．
＜11/24(水)＞
日本付近は冬型気圧配置が続きます．北日本～西日本は前日と同様の予報です．沖縄・奄美は高気圧に覆われて概ね晴れ．
＜11/25(木)＞
大陸の高気圧が西日本に張り出してくるため，北日本中心の冬型気圧配置になります．北日本～西日本の日本海側は寒気の影響で雲が広がりやすく，北・東日本を中心に雨か雪が降ります．太平洋側は概ね晴れ．沖縄・奄美は高気圧縁辺の湿った空気の影響で雲が広がりやすい天気です．以降，沖縄・奄美は週末まで湿った空気の影響で概ね曇りの日が続く見込みです．
＜11/26(金)～11/27(土)＞
北日本中心の冬型気圧配置が続きます．そのため25日と同様の予報が出ています．
＜11/28(日)＞
移動性高気圧が日本海に進み，本州付近を覆うため，北日本～西日本は晴れる所が多いです．ただし，北・東日本の日本海側は寒気が残る影響で雲が広がりやすいです．
※週後半のお天気は予報の信頼度が最低ランクのCになっているところが多いです．お出かけ前には、最新の気象情報のご確認をお願いします．
＜１か月予報 ２週目(11/27-12/3)＞
西回りで寒気が入りやすい状況が続きます．北からの寒気が入りにくいため北日本は高温傾向，寒気の影響を受ける沖縄・奄美から東日本は低温傾向の予報です．天候は，北日本は低気圧や気圧の谷の影響を受けやすく多雨傾向の予報．東日本日本海側も寒気の影響で多雨傾向．東・西日本太平洋側，沖縄・奄美で少雨傾向の見込みです．
＜１か月予報 ３・４週目(12/4-12/17)＞
１か月の後半も西回りで寒気が入りやすい状況が続きます．北日本で高温傾向の一方で，沖縄・奄美と西日本は低温傾向，東日本は平年並みの気温の予報です．天候は全国的に平年並みの予報です．予報の不確実性を考慮して平年並みに近づけた予報が発表されているため，下方修正の可能性が十分ありそうです．
【地上天気図】(週間アンサンブル予報図FEFE19)
上段：11/23-11/25、下段：11/26-11/28
ハッチング部は前24hに5mm以上の降水量が予想されている領域
【85hPa気温推移】(週間予報支援図(アンサンブル)FZCX50)
上から北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美の代表地点の気温偏差
ピンク：平年より2℃以上高い、青：平年より2℃以上低い
【１か月予報 気温の予報】
【１か月予報 降水量の予報】
【１か月予報 日照時間の予報】
