まずは気象概況からです。日本の東に高気圧があって、日本付近は高気圧縁辺の暖かく湿った空気が入っていて、まるで春のように気温が上がっています。高気圧が日本付近に勢力を残しているため晴れているところが多いのですが、沖縄の南の低気圧の接近によって沖縄・奄美と九州の一部では雨が降っています。気温の上昇によって多雪地帯では全層雪崩が起きやすい状態になっていますのでご注意ください。融雪による沢の増水にも注意が必要です。明日は、沖縄の南の低気圧と日本海で発生する低気圧が、二つ玉低気圧となって本州付近を発達しながら通過するため広い範囲で大気の状態が不安定となり、雷を伴った激しい雨が降る所があります。低気圧の通過後は冬型気圧配置になっていきますので、15日夜は気温が急降下し、北日本や東日本日本海側では雪に変わる見込みです。

 

 

 

 

さて、本日の気象庁の週間予報資料、および各国の予報資料によりますと、今週は冒頭に書きました爆弾低気圧の通過後に強烈な西回り寒波が来ます。500hPa・850hPaともに今シーズン最強クラスの寒波で、日本海側の山岳を中心に暴風雪、大雪、雪崩に注意が必要と思います。冬型気圧配置は19日頃まで続く見込みです。以下に気象庁の2/14の週間予報資料とAM11時の週間天気予報に基づいてお天気のシナリオをまとめてみます。地上天気図、850hPa気温推移と併せてご覧ください。


気象庁HP 週間天気予報
※詳細予報資料はすべてSunny Spot専門天気図にあります

 

<2/15(月)>

二つ玉低気圧の影響で、北日本から西日本の広い範囲で雨。西日本は低気圧の通過後は天気が回復してきます。沖縄・奄美は、大陸の高気圧に覆われて概ね晴れ。

 

<2/16(火)>

低気圧は発達しながらオホーツク海に進み、日本付近は冬型気圧配置になります。北日本と、東・西日本の日本海側は寒気の影響で雪や雨が降る所が多いです。東・西日本の太平洋側と沖縄・奄美は概ね晴れ。

 

<2/17(水)>

オホーツク海の低気圧は停滞し、日本付近は冬型気圧配置が強まります。北日本から西日本の日本海側は寒気の影響で雪が降る所が多いです。平地でも暴風雪になる所がありますのでご注意ください。太平洋側は概ね晴れますが、雪雲が流れてくる所もある見込みです。沖縄・奄美も寒気の影響で曇りや雨。

 

<2/18(木)>

日本付近は強い冬型気圧配置が続きます。前日と同様の天気の予報になっています。

 

<2/19(金)>

移動性高気圧が東シナ海に進んでくるため、冬型気圧配置は次第に緩んできます。北日本から西日本の日本海側は寒気が残る影響で曇りや雪。太平洋側は概ね晴れ。沖縄・奄美は曇り時々晴れ。

 

<2/20(土)>

日本の南に帯状に高気圧が広がります。北日本と東日本日本海側は寒気や湿った空気の影響で曇りの所が多いです。東日本太平洋側、西日本、沖縄・奄美は高気圧に覆われて晴れ。

 

<2/21(日)>

前日と同様の気圧配置で、同様の予報が出ています。

 

【地上天気図】(週間アンサンブル予報図FEFE19)
上段:2/16-2/18、下段:2/19-2/21
ハッチング部は前24hに5mm以上の降水量が予想されている領域

 

 

【85hPa気温推移】(週間予報支援図(アンサンブル)FZCX50)

上から北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美の代表地点の気温偏差
ピンク:平年より2℃以上高い、青:平年より2℃以上低い

 

 

 

今回の西回り寒波のピークは2/17夜で、大雪の目安の500hPaの-36℃線は東北から北陸まで南下、平地でも雪になる目安の850hPaの-6℃線は九州の屋久島付近まで南下します。豪雪をもたらすJPCZ(日本海寒気団収束帯)も明瞭で、北陸を中心に豪雪となる恐れがあります。ご注意ください。