まずは気象概況です。潮岬の南に台風15号があって、20km/hの速度で北東に進んでいます。台風や秋雨前線に向かって湿った空気が入っている影響で大雨になっている所があります。また、台風と、千島の南の高気圧や大陸の高気圧との間で気圧の傾きが大きくなっているため、非常に強い風が吹いている所があります。台風の速度が遅いため、西日本と東日本は11日にかけて暴風や大雨に警戒が必要です。ただし、千島の高気圧の勢力が強いため、台風は次第に南寄りに進路を変えて、本州から離れていく見込みです。そして、南東海上の寒冷渦と「藤原効果」と類似の相互作用を起こして、衰弱しながら互いに反時計回りに回転する面白い予想になっています。

 

 

 

 

 

 

さて、木曜日に更新されている気象庁の1か月予報、および各国の予報資料によりますと、向こう1か月は偏西風の蛇行によって日本付近は暖かい空気に覆われやすく、全国的に高温傾向の予報です。ただし北日本は寒気の影響を受ける時期がありそうです。東日本太平洋側は前線や低気圧の影響を受けやすく多雨傾向の見込みです。秋雨前線の状況にご注意ください。また、海洋大陸、南シナ海からフィリピンの北で対流活動が活発なため、まだ台風の発生が続きそうな感じですので、引続き台風の動向には注意が必要と思います。以下に、気象庁から発表されている1か月予報の概要と根拠についてまとめてみます。


気象庁HP 1か月予報 (地方、要素、予報期間を選択してくださいね)
※詳細予報資料はすべてSunny Spot専門天気図にあります。

 

<1週目(10/10-10/16)>

沖縄・奄美と西日本は500hPaで等高度線が東西に走る東西流の気圧配置(ゾーナルとも言います)で、平年並みの周期的な天気の変化。東日本と北日本は遥か東海上でリッジ(上空の気圧の尾根)が顕在化するため、西谷の気圧配置となり、湿った空気の影響を受けやすく、平年より曇りや雨の日が多い見込みです。気温は北海道で平年並みの他は、平年より高めの予報です。

 

<2週目(10/17-10/23)>

日本の南東海上で太平洋高気圧が強いため、日本付近は高気圧縁辺の暖かく湿った空気が入りやすく、秋雨前線の活動か活発になりやすい見込み。北日本は高気圧に覆われやすいため、平年より晴れの日が多く、東日本太平洋側と西日本は低気圧や秋雨前線の影響を受けやすく多雨傾向、東日本日本海側と沖縄・奄美は平年並みの天候の予報です。気温は全国的に高温傾向の予報になっています。

 

<3・4週目(10/24-11/6)>

数値予報ではシベリア高気圧、アリューシャン低気圧とも平年より強い予想で、北日本を中心に冬型気圧配置による寒気の影響を受ける時期がありそうです。天候は全国的に平年並み、気温は北日本を除いて高温傾向の予報です。

 

 

 

【地上平均気温】1か月予報
左から1週目、2週目、3・4週目の予想
暖色系の色が濃いほど平年より気温が高くなる確率が大きい
寒色系の色が濃いほど平年より気温が低くなる確率が大きい

 

 

【降水量・日照時間】1か月平均

降水量 暖色系:少ない、寒色系:多い

日照時間 寒色系:少ない、暖色系:多い

 

 

【850hPa気温推移】1か月予報
左上:北日本、左下:東日本、右上:西日本、右下:沖縄・奄美
ピンク:平年より2℃以上高い、青:平年より2℃以上低い
太線:平均、細線:各メンバー(個々の数値予報の結果)
中央の縦線が10月7日で、その左側は実況、右側は予想