まずは気象概況です。東シナ海から九州南岸に停滞する梅雨前線の活動が活発になっていて、奄美の中之島、九州南部の屋久島や種子島を中心に大雨になっています。気象レーダーでは線状降水帯が形成されていて、気象衛星画像では大雨に警戒すべき「テーパリング・クラウド(人参雲)」が明瞭。7日にかけて九州南部から奄美では土砂災害に警戒

本州では「北高型」の気圧配置となるため、今日は関東地方や中部山岳を中心に大気の状態が不安定。落雷、突風、急な強い雨に注意。雷鳴が聞こえたら稜線から降りて安全な場所へ

 

 

 

 

さて、木曜日に更新されている気象庁の1か月予報、および各国の予報資料によりますと、向こう1か月は沖縄方面への太平洋高気圧の張り出しが強まり、本州付近に梅雨前線が停滞、いよいよ本州も梅雨本番となります。平均すると平年並みの降水量の予報ですが、太平洋高気圧の張り出しが強いため、「降る時は降る」という陽性型の梅雨になるのではないかと予想しております。以下に、気象庁から発表されている1か月予報の概要と根拠についてまとめてみます。

 
気象庁HP 1か月予報 (地方、要素、予報期間を選択してくださいね)
※詳細予報資料はすべてSunny Spot専門天気図にあります。

 

<1週目(6/6-6/12)>

最新の週間予報資料によりますと、11日以降は本州付近に梅雨前線が停滞する予報になっていますので、東・西日本で(場合によっては東北も)一斉に梅雨入り発表がありそうな感じです。一方で梅雨前線の北上に伴って、沖縄・奄美は梅雨明けとなりそうです。

 

<2週目(6/13-6/19)>

太平洋高気圧が日本の南に張り出し、梅雨前線は本州付近に停滞。トラフ(上空の気圧の谷)の影響で平年並み北海道を除いて、暖かく湿った空気の影響で全国的に高温傾向の予報。太平洋高気圧の勢力が強く、梅雨前線の位置が平年より北寄りになるため、東・西日本の日本海側で多雨傾向。一方、太平洋高気圧に覆われやすい沖縄・奄美は少雨傾向の見込みです。

 

<3・4週目(6/20-7/3)>

500hPaのサブハイ(亜熱帯高気圧)、地上の太平洋高気圧ともに沖縄方面への張り出しが強く、梅雨前線に対応する地上の低圧部が明瞭になっていますが、予報の不確実性を考慮して全国的に平年並みの天候の予報が出ています。数値予報通りならば、平年より降水量が多くなる可能性がありますので、最新の気象情報にご注意ください。気温は沖縄・奄美から東北でやや高温傾向の予報。

 

 

 

【地上平均気温】1か月予報
左から1週目、2週目、3・4週目の予想
暖色系の色が濃いほど平年より気温が高くなる確率が大きい
寒色系の色が濃いほど平年より気温が低くなる確率が大きい

 

 

【降水量・日照時間】1か月平均

降水量 暖色系:少ない、寒色系:多い

日照時間 寒色系:少ない、暖色系:多い

 

 

【850hPa気温推移】1か月予報
左上:北日本、左下:東日本、右上:西日本、右下:沖縄・奄美
ピンク:平年より2℃以上高い、青:平年より2℃以上低い
太線:平均、細線:各メンバー(個々の数値予報の結果)
中央の縦線が6月3日で、その左側は実況、右側は予想