まず気象概況です。500hPaのトラフ(上空の気圧の谷)の接近に伴い、梅雨前線の活動が活発化して前線上に低気圧が発生して東に進んでいます。西日本では明日14日にかけて大気の状態が非常に不安定になるため、雷を伴った激しい雨に注意。特に九州の東シナ海側が要注意で、既に強い雨が降り始めています。中部山岳がある東日本は、午後からヒートロウ(熱的低気圧)が形成されるため、大気の状態が不安定。中部山岳の山沿いや山岳を中心に落雷、急な強い雨に注意。梅雨前線が南岸に停滞するため、東・西日本は15日も雲が広がりやすい天気です。また、日本海北部に停滞する低気圧の影響で、北日本は今日の午後にかけて大気の状態が不安定。日本海北部の低気圧は15日には不明瞭になる見込みですが、湿った空気の影響は15日も残って北日本は雲が広がりやすいです。

 

 

 

 

 

 

さて、木曜日に更新されている気象庁の1か月予報、および各国の予報資料によりますと、7/19頃までは東・西日本は梅雨前線の影響で多雨傾向で低温傾向の見込みです。7/20頃からフィリピンの東の対流活動が活発になり、PJ(日本・太平洋)パターンによってサブハイ(亜熱帯高気圧)と地上の太平洋高気圧を強めて梅雨前線を一気に北日本に押し上げる予報になっていました。しかし、最新の気象情報では気象庁の48時間予想図に登場する熱帯低気圧によって、梅雨明け発表の時期が遅れる可能性が出てきています。以下に、気象庁から発表されている1か月予報の概要と根拠についてまとめてみます。

 
気象庁HP 1か月予報 (地方、要素、予報期間を選択してくださいね)
※詳細予報資料はすべてSunny Spot専門天気図にあります。

 

<1週目(7/13-7/19)>

梅雨前線が本州付近に停滞するため、東日本太平洋側と西日本は多雨傾向の予報。また、東・西日本は梅雨前線の位置が平年より南寄りのため、梅雨前線の北側の冷湿な空気の影響を受けやすく低温傾向。東日本日本海側と北日本は平年同様に曇りや雨の日が多く、沖縄・奄美は平年同様に晴れの日が多い見込みです。お天気の流れの詳細は、明日の週間予報の記事で解説いたします。

 

<2週目(7/20-7/26)>

フィリピンの東で対流活動が活発になり、太平洋高気圧が本州付近に張り出します。梅雨前線は北日本付近に北上して、東・西日本は梅雨明けする予報だったのですが、熱帯低気圧からの湿った空気の影響で梅雨明け発表が遅れる可能性がありそうです。今回の熱帯低気圧の後にも熱帯低気圧や台風が発生する可能性がありますので、今後の動向に注意と思います。

 

<3・4週目(7/27-8/9)>

数値予報では引続きフィリピンの東で対流活動が活発で、太平洋高気圧の本州付近への張り出しが強い予想です。しかし、気象庁予報部では不確実性が大きいとして、全国的に平年並みの天候、北日本と東日本でやや高温傾向の予報を発表しています。数値予報通りの場合は、全国的に猛暑になる可能性があります。登山では、「早立早着」の鉄則を守って、落雷のリスクを下げるようにしましょう

 

 

 

【地上平均気温】
左から1週目、2週目、3・4週目の予想
暖色系の色が濃いほど平年より気温が高くなる確率が大きい
寒色系の色が濃いほど平年より気温が低くなる確率が大きい

 

 

【降水量・日照時間】1か月平均

 

 

【850hPa気温推移】

左上:北日本、左下:東日本、右上:西日本、右下:沖縄・奄美
ピンク:平年より2℃以上高い、青:平年より2℃以上低い
太線:平均、細線:各メンバー(個々の数値予報の結果)