新潟県糸魚川市にフェーン現象による大火事をもたらした日本海低気圧は東海上に抜けて、日本付近は冬型気圧配置になっています。この冬型気圧配置も今日24日の後半から緩んでくる見込みです。今夜ホワイトクリスマスになるのは北・東日本の日本海側の一部の地方だけのようです。今朝3時のアジア太平洋域の解析図、まるでサンタの顔に見えます。カムチャツカとアリューシャンの低気圧が目玉、その南の高気圧が口、大陸の高気圧の帽子をかぶっています。こんな遊び心も楽しいですね。ちなみに、21日の3時にカロリン諸島の熱帯低気圧が台風26号Nock-ten(ノックテン)になってフィリピンの東に進んでいます。

 

 

 

さて今週は水曜日に3か月予報、木曜日に1か月予報が更新されています。それによりますと2月まではほぼ平年並みの冬になりそうですが、シベリア高気圧の予報精度が低いためシベリア高気圧次第では寒くなる時期がある可能性があります。また、地球全体の気温が高い予想のため、3月の春の訪れは少し早くなるかもしれません。以下に気象庁から発表されている1か月予報、3か月予報の概要と根拠についてまとめてみます。

気象庁HP 1か月予報 (地方、要素、予報期間を選択してくださいね)
気象庁HP 3か月予報 (地方、要素、予報期間を選択してくださいね)
※詳細予報資料はすべてSunny Spot専門天気図 にあります。

 

<1か月予報 1週目(12/24-12/30)>

500hPa高度は西日本を中心に高く、西ほど暖かい空気に包まれやすい。地上ではカムチャツカ付近で低気圧が発達しやすく、北日本を中心に寒気の影響を受けやすいです。また、東海上の高気圧が強く、太平洋側では高気圧縁辺の湿った空気が入りやすい傾向です。週間予報資料では、27日に日本海を発達する低気圧が通過し全国的に荒れた天気になる恐れがあります。山は大荒れになる恐れがありますので最新情報にご注意ください低気圧の通過後は冬型気圧配置が続き、28日をピークに寒気か入る見込みです。詳細のお天気の流れは明日の週間予報の記事で解説いたします。

 

<1か月予報 2週目(12/31-1/6)>

引続き西日本を中心に500hPa高度が高く、暖かい空気に包まれやすい。大陸のシベリア高気圧は弱く、北海道を除いて冬型気圧配置は平年より弱い見込みです。移動性高気圧に覆われる時期もありますので、西・東日本の日本海側では平年より晴れの日が多くなりそうです。冬型気圧配置は強弱の波を繰り返しながら3日頃まで続きそうですので、日本海側では初日の出は難しいかもしれません。

 

<1か月予報 3・4週目(1/7-1/20)>

日本の北の高緯度で500hPa高度が低く、日本付近で高度が高い「正のWP(西太平洋)パターン」。そのため北寒西暖の傾向ですが、予想の不確実性を考慮して東日本から沖縄・奄美でやや暖かい予想に留めています。MJO(マッデンジュリアン振動)の影響で寒気が入りやすい予想に変わる可能性もあります。

 

<1月>

日本付近は偏西風が平年より北を流れるため暖かい空気に包まれやすく、全国的にやや高温傾向です。低気圧や前線の影響を受けやすい北日本太平洋側で平年より晴れの日が少ない他は、全国的に平年並みの天気の予想です。

 

<2月>

数値予報ではシベリア高気圧は弱い予想ですが、不確実性が高いため気象庁では平年並みとしています。北日本はやや寒気の影響を受けにくく、西日本は寒気の影響を受ける時期があるためやや低温傾向の予想になっています。

 

<3月>

数値予報では北極の寒気が中緯度に放出される「北極振動プラス」が予想されていますが、気象庁では北極振動の予想は精度が低いとして予報には採用していません。地球全体の気温が高いことを考慮して、北東風の影響によって平年並みの沖縄・奄美を除いて、全国的にやや気温が高めの予想です。これまでの今冬の傾向から気温の変動は大きそうですが、春の訪れは早いかもしれません。

 

 

【地上平均気温】
上段:左から1週目、2週目、3・4週目の予想
下段:左から1月、2月、3月の予想
暖色系の色が濃いほど平年より気温が高くなる確率が大きい
寒色系の色が濃いほど平年より気温が低くなる確率が大きい

 

 

【1か月予報 降水量・日照時間】

 

 

【3か月予報 降水量】
左から1月、2月、3月の降水量

 

 

【3か月予報 降雪量】

12月から2月の3か月平均