12時現在、低気圧が東シナ海にあって明日は発達しながら本州南岸を進み、明後日朝には976hPaまで発達して北海道の南に進む見込みです。この南岸低気圧によって明日にかけて関東甲信や東北で大雪になる恐れがあります。今夕、気象庁は「暴風雪と高波及び大雪に関する全般気象情報 第4号 」を発表、「急速に発達する低気圧の影響で、18日には北日本から西日本にかけて非常に強い風が吹き、海は大しけとなる」として「暴風雪、暴風、高波に警戒」を呼び掛けています。また「18日は東日本と北日本の太平洋側を中心に、19日からは日本海側を中心に大雪に警戒」「なだれや着雪」に注意を呼び掛けています。


予想天気図



 この南岸低気圧によって、地形的に下層寒気が滞留しやすい関東地方の平野部でも雪になる可能性が高く、東京都府県情報では「大雪と高波及び強風に関する東京都気象情報 第3号 」が発表されており、東京23区でも最大10cmの降雪量になるとして大雪による交通障害に警戒を呼び掛けています。図はGPV気象予報 さんです。雪雨判定がありますので、ぜひご活用ください。






 この雪でこれまで積雪が少なかった中部山岳でも、かなりの積雪が予想されます。しかも南岸低気圧特有の湿雪です。その後、19日以降は強い冬型気圧配置となって、今度は日本海側を中心に乾いた雪が大量に積もる見込みで、異なる性質の雪が積もることによって弱層が形成されて雪崩の危険性がかなり高くなることが予想されます。今週末の中部山岳は寒気のピークとなる見込みで暴風雪や大荒れになるだけでなく雪崩の危険性が予想されますので、最新の気象情報をご確認の上、慎重な進退の判断をお願いいたします。


MSM積算降雪量




 本日の午前中の本日午前中はクラブツーリズムでの山のお天気講習を実施、好評のもと無事に終了しました。天気予報の見方で今夜から明日朝の東京の雪、そしてその後の強い冬型気圧配置による大荒れ、上記の雪崩の危険性についても取り上げました。自分から情報を取りに行くことの大切さを皆さんにご理解いただけたと思います。


クラブツーリズムの講習






 さて、本日の気象庁の週間予報資料、各国の予報資料によりますと、今週は北極振動指数(AO)が大きくマイススとなって、北極の寒気が中緯度に放出される状況が続きます。強い寒気は24日頃がピークとなって、26日頃まで続きそうです。これまでのスキー場などの雪不足は一気に解消どころか、日本海側ではかなり大雪となる可能性(特に西日本)があります。今後の気象情報には十分にご注意ください。センター入試が寒波より早くて、本当に幸いだったと思います。以下に気象庁の1/17の週間予報資料 とAM11時の週間天気予報 に基づいてお天気のシナリオをまとめてみます。地上天気図、850hPa気温推移と併せてご覧ください。


気象庁HP 週間天気予報

※詳細予報資料はすべてSunny Spot専門天気図 にあります。



1/18(月)

 南岸を低気圧が急速に発達しながら東に進み、夜には980hPaまで発達して三陸沖に進みます。低気圧が通過した西の方から強い冬型気圧配置になります。低気圧の影響で全国的に大荒れの天気になる見込みです。また、17日夜遅くから18日にかけて東・北日本の内陸部を中心に湿った雪が降ります。


1/19(火)

 低気圧は北海道の南東沿岸で、寒冷渦(寒気を伴う上空の低気圧)と一体化して動きが遅くなり発達の最盛期となります。現時点の予想では970hPaぐらいまで発達するようです。全国的に強い冬型気圧配置になって、北海道東部と本州日本海側を中心に大雪となる見込みです。太平洋側でも雪雲が流れてくるころがある見込みです。


1/20(水)・1/21(木)

 20日を中心に強い冬型気圧配置が続きます。雪が降る目安の850hPaの-6℃は本州南岸まで南下し、日本海側では断続的に雪が降る見込みです。太平洋側では晴れるところもありますが、雪雲が流れてきて雲が広がったり雪が舞うところもありそうです。


1/22(金)~1/24(日)

 500hPaで-45℃の一級線の寒気を持つ寒冷渦が中国東北区から日本海に進んできます。西日本では21・22日にいったん冬型気圧配置がやや緩みますが、24日にかけて再び冬型が強まり、850hPaの-9℃以下の強い下層寒気が北日本から西日本の全域を覆います。23・24日を中心に日本海側では雪が降り続く所が多く、積雪量が多くなる恐れがあります。土日の日本海側の登山は暴風雪だけでなく、雪崩にも注意です。日本雪崩ネックワークさんの最新の白馬エリアの雪崩情報 などを参考にして、慎重なご判断をお願いします。


※週後半のお天気は予報の信頼度が最低ランクのCになっているところが多いです。お出かけ前には、最新の気象情報のご確認をお願いします。



【地上天気図】(週間アンサンブル予報図FEFE19)
上段:1/19-1/21、下段:1/22-1/24






【85hPa気温推移】(週間予報支援図(アンサンブル)FZCX50)
上から北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美の代表地点の気温偏差
ピンク:平年より2℃以上高い、青:平年より2℃以上低い