拾はれる風景、短歌のある風景 -3ページ目

拾はれる風景、短歌のある風景

人生は拾はれる、独り舞台の物語。いつも、どこにゐても短歌の風景としての世界を切り取ってみよう。

あめに濡れ逸れ(はぐれ)鴉によく似合うセピアの暮色長崎の街
舶来を歓ぶ気質街の色思いを溜めて枯れ勝る山
モノになるならぬといふは他人事と腐れる縁深まるほどに
スケルトン心の中をいかにせむ徹底されぬ改善効果
杉檜崖さへ緑深き中埋もれて鳥も棲まぬ死の山
音律の淋しき調和口ほどに響まぬままに雨降り続く

梅雨寒の風に気を吐く雲伝ひみなみ高鳴く

鳶の一群れ

人生の立ち位置見ずや恋ごころ寛解よりも

未完の断酒

タマシヒをコトノハに載せ贈り遣る

ヒミコの魔鏡月にゆらげり