「老い」という野の岸辺に立ちて見えるもの神妙にぬかづくあした露に濡れ低き鳥居の御祖(みおや)の時世(ときよ)今更に恋を為(す)なるや疑はれ哀し思ほゆ朝な夕なのくちづけを誰か怪しむ鳶の眼に奇しき点のひとつとなりて