誰かの手によって、必ず明らかにされるんですよ。
だから、いつも 自分の仕事には、細心の注意をしながら、いつか 他のどんなリペアマンに見られても、恥ずかしく無い仕事をしなければ いけません。
今回は、最低な仕事を見せつけられる事となりました。
よくもまぁ この仕事ぶりで、お客様から お金を頂戴出来たものですわ!
ほんま、呆れ返りました。
はっきり言って“詐欺”ですよ!!
ギブソン レスポール・ジュニア。
リアのピックアップを以前ご紹介したSGと同じく、ディマジオのP-90タイプのハムバッキングに交換されていました。
で、そのピックアップを購入された お店で、取り付けもしてもらったそうです。
しかし、お客様 ご自身でピックアップの高さを上げようと ビスを緩めたら、、、ピックアップが外れたそうです。
実際に見てみますと、外れたビスは、簡単に抜けてますね。
ポールピースは、かなり上がってます。(これは、ピックアップ自体が上げれないので、ポールピースの高さで お客様が調整された、苦労の跡ですね。)
何故、こうなるか?
...答えは簡単です。
オリジナルのピックアップは、真ん中あたりをビスで固定するしくみですが、ディマジオは 両端にビス穴があります。
抜けてしまったビスは、1弦側。
つまり、こちら側に ビスが噛まない“何か”があるからですね。
その“何か”は、コレです。
ピックアップの配線が通るためのミゾ。
深さは、約5ミリ。
つまり、本来は この5ミリの範囲にビスが噛んで、しっかり安定しているべきなんですね。
しかも、よく見ると このビス穴の跡、、、
穴と言うより、ただのヘコミですよね。
よくこれで 止まっていた物ですよ。
ネジ山 1周分も開いていないでしょ。
あまりのひどさに、一瞬 手が止まりましたもん。
では、検証してみましょうね。
なかなか、一般の方々は 見る機会が無いでしょうから、よ~く 見て行ってちょうだい!!
そして、みなさん自身が いい加減なリペアマンに騙されない様に、しっかりと目に焼き付けておいて下さいね。
単純に、ビスをこのミゾに立ててみますと、ピックガードの上からビスの頭の下側まで、約3ミリ。
つまり、ビスのネジ山が 全く木に噛んでいない状態であっても、ピックガードから約3ミリしか、ピックアップが上がらないと言う事です。
実際には、ネジ山を木に噛ませると、最低でも2~3ミリぐらいは必要ですので、ピックアップとピックガードが ほぼツライチになると言う事ですね。
それでは、全く使えません。
こんな事は、別に何の知識も、計測工具が無くても ビスをこの様に置いてみれば、素人でも解る事ですよね。
次に、修正作業をするに あたり、一旦ピックアップを外そうと思い、ポットのハンダ付けを見ると、、、
ピックアップのコールドの線とアースの裸線が、ネジってポットにハンダ付けされているものの、ケバケバに線が剥き出しになっているわ、予備ハンダが流れきっていないわ。。。
これでは、ちょっと引っ張ったら、簡単にネジリがほどけるし、ハンダも“天ぷら”(見た目はキッチリ着いている様でも、線にハンダが溶け込んでいないために、空洞になっている)なので、すぐに外れます。
これだけの『ド素人 仕事』を見せつけられて、ウンザリでしたわ。
お客様を馬鹿にするにも程がある!!
では、このピックアップを取り付けるには、どうするかと言いますと...
一番 安全で簡単な方法をご紹介しましょう。
ビス穴の位置に大きめの穴をボール盤で垂直に開けます。
この穴径と同じサイズの丸棒を接着します。
たった これだけの作業です。
接着剤の乾燥時間を入れても、1時間もあれば十分です。
ピックアップの線は、この丸棒の隙間に楽に通りますから、全く問題は無いですよ。
で、リアピックアップはフロントに比べて高めにしますから、ビスの下側にスプリングを入れますと ぐらつきやすくなりますので、ウレタンのクッションを敷いて安定させます。
配線も完了して、ポールピースの高さも元に戻せば こんな感じ。。。
何のストレスも無く、上下させれる様になりました。
ちなみに、、、
ボディー表面から、約10ミリまで 上げる事に成功しました。
みなさん くれぐれも、悪徳リペアマンに騙されない様、ご注意下さいまし。