目を閉じていて善かった。
獰猛な太陽ハレーション。
消されるところだった。
うっかりしていた。

酷いこと。あっけないこと。
彼は飛ばされてしまった。
白日の彼方に追いやられた。
白光でもって消し飛ばされた。
どこ逝ったがやろ。

頭ん中で蝉がひと声、
先程より一段と声高に鳴いてから、


…。


可哀想に。溶けてしまったよ。
光の嵐に打ちのめされて、
ボコボコのギタギタのメタメタ。

蟻が喰うのかねえ?
食われ損なって地面に落ちた、
溶けたアイスクリームの塊みたく。

同じ器の中。
誰か助けるとかしてくださいよ。

消し飛ばされたまま今でも、
真夏の下で呆然と、呆然として、
あの道の傍らで独り、
揺れる夏草より気に止められることなく、
立ち尽くしている夢を見ても。

夢は夢。
いつでも現実が先走る。