新曲の譜面が手元に在る。
それを膝の上に乗っけたまま、
少し転寝をしていたらしかった。

何処からかリィダーがやってきて、
鶏のパペットと未来について語り合うと、

「よし!ベジタリアンになろ。」
と言ってから五分も経たないうちだ。
HEAVEN ELEVENのヤキトリ串を、
平然と口に運ぶ様を見て思った。

「嘘ぶっこいてんじゃねーよ‥」
そのクセ楽しげな気分も否定できない。

気付けば空き地の真ん中に破棄された、
汚れの酷い真っ赤なソファーの上で、
雨が降る匂いがして、猫が顔を洗うから、
間違いじゃないことに気付いてしまった。

「きっと朝まで家に入れてもらえない」
と、その猫は悲しげな顔をして訴える。
耳と尻尾とを情けなく垂らすもんだから、
一緒に、猫の主人のもとへ謝りに行くと、
新聞の勧誘を断わるが如く、冷たい口調で、

「間に合ってます。」

……。

もう猫は何も喋らなくなった。
淋しげな空気を誤魔化すように、
ひたすら毛づくろいに没頭していた。
無理もなかろう、と思って慰めようにも、
かける言葉が見当たらなかった。

雨が降りだした。
やっぱり猫は何も言わなかった。
黙りこくったまま擦り寄って来て、
ぉずぉずとアタシの膝の上に座り込むと、
寒そうに、小さく震えながら目を閉じて、
折り目のついた、一枚の紙切れになった。