策を練る

◆本文

Palma DogHotelの年末～年始はお泊まりのテリアちゃん達と年越しでした。

年越しメンバーは、

・ジャックラッセルテリア(愛称ジャック)

兄Kくん

弟Tくん

・ウエストハイランドホワイトテリア(愛称ウェスティ)

Tちゃん

各々でのお泊まり経験はありますが、
初顔合わせのこのメンバーでのお預かりに際しては少々策を練りました。

犬には犬として共通の特性がありますが、犬種ごとの特性というものは「必ず」ありますし犬種特性に合った「お仕事」を遊びの中で提供することは必須だと私は考えています。

上記の3わんこ達は“テリアグループ”という狩猟犬のグループに属しています(余談ですが、テリアとシュナウザーは同一視(AKCでは同じテリアグループ)されることが多いですが、私の主観ではその性格・性質は全く異なっています)。

ご存じの方も多いと思いますが、このテリア達は穴に潜ったキツネやネズミ等の小動物を穴から引きずり出して噛み殺して仕留めるために作出された犬種です。

キツネやネズミに威嚇されてビビったり・凹んだり・諦めたりしていては全く仕事になりませんので、闘争心が旺盛でシツコイ(笑)、とんでもなくエネルギッシュでタフで遊び好きな犬達です。

この性質は“テリアキャラクター”と呼ばれ、テリアファンシャーに昔から愛され続けています。

ウェスティは、ジャックよりはソフトですが、やはりテリアらしさは満載です。

当然、どちらも初心者には全くオススメしません。

私、このテリアちゃん達が大好物なのですが、なにせ全頭バリバリのテリアキャラクター。
プレイルームのスペースを分割するという手もあるのですが、それではドッグトレーナーの名が廃ります。

ただ単に「一緒の空間に居られる」だけではなく、仲良くなる方法はないだろうか？？

一晩考えて秘策(？)を練り上げました。
(この考える時間がまた楽しいのです)

お預かり当日は、先にジャック兄弟くん達がご来店して、ウェスティTちゃんが後からご来店です。

まずは、お散歩行こっ！お散歩！

多頭でのお散歩は、こと「別々のご家庭の犬達を職業としてお預かりする立場」としては特筆すべきメリットがあります(一般の飼い主様にはあまり参考になりませんが・・・)。

全ての犬に当てはまる訳ではありませんが、ほとんどの「犬嫌いの犬」や「初対面では相性が悪い犬達」に少なからず変化が起こるのです。
(Palmaはガチでお散歩をするDogHotel & Daycareです)

こういうのは、なにやら古典的で古いトレーナー的に思わるかもしれませんが、私はバリバリの学習理論派です。

私にとっては興奮・執着・不安から犬達がリカバリーする過程にこそ知るべきことがあり、それらは最終的には必ず理論に裏打ちされます(「必ず」です)。

理論やトレーニングメソッドは、「自身が犬を扱う」という経験のみによりそれが生み出されたバックグラウンドが理解されるものです。

ある程度の理論への理解があるのであれば、

必要なのは現場での経験です。

当然ですが、「策を練った」秘策には理論の裏打ちがあります。

だだし、この「多頭散歩」は策の一部ではありますが秘策ではありません。
Palmaにおける極当たり前の日常メニューです。

Palmaでは、車に乗って近隣の広い公園に移動してお散歩することがほとんどです。

これは犬達の楽しみのためでもあり、安全のためでもあります。

私の考えでは、この「車に乗っての移動」から多頭散歩は始まっています。

車内の限られた空間には、メンバー皆の匂いが充満します。互いの匂いを確認しながら、一体となっての目的地への高速移動、群れでの行動(＝狩り)はもう始まっているのです。

時折誰かが“放屁(ほうひ)”することがありまして・・・、

芳しい香りが車内に充満します(´д｀|||)