街の喧騒が
厚く重いとばりの
向こうでくぐもる
静かな夜

そんな静寂が
一本の鋭い針となり
この胸に突き刺さる
冷たい夜

この夜の濃度が
深い記憶の依代となり
銀色に妖しく光る
針に受肉して
無言の穿刺を囁くのだ

その痛覚は私から
何を吸い出すのだろうか
あるいは私に
何を注入するのだろうか

私は
十字架を背負わない
私は
手足に杭を打たれない

ただ
緻密に積層した夜に
析出された細い針が
この胸を刺し貫く痛みに
眠りの門を閉ざされる