私は去られました
数多の人々が
私のもとから
去ってゆきました
そのたびに私は
何が原因だったのか
何が悪かったのか
心の眼をあちらこちらに
彷徨わせるのです
去る者を引き留めたり
追いかけたりすることを
私はしません
それは
私の自尊心が高いからではなく
ただ単に
私にその力がないからなのです
でも
「去る」ということは
ひとときでもその人が
私のもとに在ったということです
端から私のもとにいなかった者には
「去る」ということはあり得ません
そのひとときが
その人を織りなす糸の
私を織りなす糸の
一本となったのです
そのひとときを
その一本を頼りに
私は独り
歩いています