山を登る
一歩一歩
足腰に力を込めて
より高いところへと
己の重さを
持ち上げててゆく

ただただ登ること
それ以外に
何も考えない
余計な考えが浮かんだら
すぐにそこから離れ
足元の道を見る

ただただ登る
己の息遣いや
流れる汗を感じながら
無心に登り続けて
やがて突然
頂上にたどり着き
視界がひらける

そこに見えるのは
大小無数の山々が
青く霞む遥か彼方まで
続いている景色

それら
ひとつひとつの山には
どれにも無心に登る人が
いるのだろうか

私の登った山は
大して高くは
なかったけれど
後はもう降りるだけ

後から登ってくる人達に
この眺めを譲るため
私は山を降り始める