人は誰でも
自分の領域を持っている
その領域の境界線が
その人の輪郭となる
その境界線が
ただ線を引いてあるだけ
の人もいれば
塹壕を掘って
そこから銃口を
覗かせている人もいたり
分厚い防壁を築いて
検問所のあるゲートを
設けている人もいたりする
そんな人に
時に光る風のようなものが
ふんわりと訪れて
塹壕をすっかり
埋めてしまったり
防壁を跡形もなく
壊してしまったり
することがある
そして
その光る風は
そこに新たな線を引き
己の光をその線に
分け与える
そうしてその風の
訪問を受けた者は皆
その領域を一変させて
光る輪郭を持つようになる
そんな光る風が
張り巡らされた防壁の
向こう側から訪れるのを
今も私は待っている