私は薔薇
私は美しい
私は香り高い

私には棘がある
私は傷つけた
私に触れようとした
いくつもの指先より
血を滴らせた

私は恐れる
傷つけられることを
毟り取られることを
喰われてしまうことを

私の周りは
棘を纏うものばかり
それらの棘は皆
哀しみの証

美しく装いながらも
触れ合おうとして
互いに傷つけてしまう恐れに
囚われてしまう哀しみ

いつか私が枯れ果てるように
互いに喰い合うこの世界に
憑いている恐れも枯れ果てる日が
訪れることを祈りながら
私は老いた花弁を
寂寥の地へと落としてゆく