長い休日の数珠が
パラパラと
ほどけるような
浮かれ跳ねる足音が
街の通りを
重なりつつ転がってゆく
その豆撒きのような音を
窓越しに聞きつつ
私にしがみつく両の脚は
陰鬱の軛に繋がれ
己の音を忘れてしまった
あくせくと世を飛び交う
電波や電子の信号は
歓声と彩りと薄弱な笑顔を
絶え間なく浴びせかけるが
それも私の脚に魅入られた
軛を溶かすことはない
静かに 静かに
己の内なる静寂に耳を澄ませ
ほどけた数珠のような音や
薄弱ながらも横暴な笑顔を
己の魂から締め出してしまおう
己のすべての感性を
銘品の剃刀の如く
極限まで研磨させ
その名の通り休む日の
静謐なる時の流れを感じ取り
独り部屋に座り
沈降する意識の錨を
謹しみつつ導いて
枯れ果てていた内なる泉から
再び清冽なる命の水を
湧き上がらせよう
誰とも何処へも行かぬことを
決して恥じる必要はない
恥じるべきでもない
己の孤高さという灯火を
吹き消すことはない
魂の数珠のほどかれることなく
泉の水のかれることなく
己の内に宿る命の息吹を
この休の日々に確かめよう