冬の誘蛾灯朝焼けを待つ深い 青灰色の街にひっそりと掲げられた冬の誘蛾灯は怪しくも朧な紫色に虚しく灯る訪れぬ獲物を待つ金属とガラスの被造物声なき光のセイレーンは暗い街を支配する何者の願いをも拒絶する無慈悲なクロノスに見初められ獲物をとらえられぬまま己が存在の燈火を鈍く曇らせてゆく無機質なその蒙昧さにやがて街を見守るユピテルにも見はなされ沈みゆく電圧のしじまにかつての力を衰えさせて怪しくも朧な紫色は融解するが如く闇に飲み込まれていった