秋の蚊が一匹
朝のカフェの中を
戸惑うように飛んでいる

あっちに行っては
うるさそうに追い払われ

こっちに行っては
叩き潰されそうになり

フラフラと
ユラユラと
頼りになるものを
探すかの如く

人々の間を
漂うように
彷徨っている

季に忘れられた
一匹の蚊

儚く見えながらも
人々の片隅で
この冬を強かに
生き延びるのだろう