俺はエリート
ではない

ヒーローにも
なれない

さりとてヒールに
なることもできない

俺は何でもない
ただの男

優秀でも勇敢でも
悪辣でもない

何でもない
群衆の中の一人

何の注目も
浴びることなく

透明なコートを着て
透明な足跡を残してゆく

そんな
何でもない者の呟きは
乾いた砂塵の如く
風に吹かれて消えてゆく

他人の放つ期待も
ものさしも
反射することなく
みんな透過させる

どこまでも
どこまでも透明な
そんな人生があっても
悪くないだろ