脚が痛む
脚が痺れる
脚に力が入らない

脚が歩くことを
拒んでいる

脚が自らの役割を
放棄しようとしている

己の一部が
その存在意義を
捨て去ろうとしている

私の「存在」が
擦り切れてゆく

私という「存在」が
摩耗してゆく

世界から私が
削り取られてゆく

私の世界が
損耗してゆく

「死」とは
ある特定の日に
訪れるものではない

「死」とは
いくつもの損耗によって
構築されてゆくもの

あぁ この瞬間も
摩耗し損耗した
私の世界の一部が
冥い部品と化して
私の「死」が
組み上げられてゆく

それが落成したとき
目には見えない
もう一つの世界となる