子どもの頃
動きの悪くなった
ゼンマイ時計を
直そうとして

裏側を開けて
中の機械を
いろいろと
いじくっていたら

パキッ
という音がして
時計の針が
ぐるぐると回り始めた

直そうとして
かえって余計にひどく
壊してしまったらしい

時計の針は
時を刻むことなく
コントロールを失って
ただぐるぐると回ってゆき

巻かれていたゼンマイは
あっという間に
緩みきって
力を失ってしまった

今から思うと
壊れて無軌道になった挙句
エネルギーを使い果たした
その憐れな時計は
未来の世界の
雛形だったような気がする

動きの悪くなった時計を
直そうとして
かえってより壊してしまった
子どもの頃の私の愚行は
未来の人々への
凶兆だったのかもしれない

壊れてしまった時計は
すぐに捨てられ
新たなものに
買い換えられた

でも
この世界に替えはない
なんとか修理して
ゼンマイを
巻き直すしかない

たとえどんなに
時間と努力が
必要になったとしても
捨てるわけには
いかないのだ