また選挙の季節が
にじり寄ってきた
重い身体を
畳を擦り切らすように
近寄ってくる
街角では
ベニヤ板の立看板に
いくつもの平板な笑顔が
いつものように
並べられるのだろう
スピーカーが
不穏なほどの大音量で
どこにでも転がっている
石ころみたいな言葉を
吐瀉している
汗水垂らして
毎日懸命に働いても
手の届かぬような金額の
金品の群れが
巨大な芋虫のように
這いずり回ってゆく
そんな情景を
忌まわしいと思っている
かもしれないが
それもこれもみんな
有権者の責任でもある
数多の有権者は
政策に興味を持たない
聞く耳も持たない
読む気もない
だから
いやというほど
無駄金をかけて
石ころの如き言葉や
候補者の名前のみを
連呼するしかないのだ
また選挙の季節が
にじり寄ってきた
この国をどんな形にしたいのか
どんな色で染め上げたいのか
そんなビジョンの
欠片も持たぬ国民の
民主主義も社会契約も
へったくれもない
その場限りの刹那的な感情ばかりの
醜く薄っぺらい喧騒がやってくる