言葉の港に佇む私
風が時とがすれ違う
円環の水平線を望む
この岸壁で
入港しては
出港してゆく
種々の言葉を積んだ
数多の船を眺めている
船旅はいつも
危険と隣り合わせで
遥か遠く彼方まで
たどり着く言葉もあれば
途中で嵐に見舞われ
深く昏い海の底へと
沈んでしまって
この港へと
届かぬ言葉もある
船は言葉に込められた
文化と希望を運び
それらの交錯する港には
いつも光があった
光は風に揺れていた
光は風と戯れていた
風は時とすれ違うたび
時から伝言を受けとり
風にそれを伝えていた
風はこの港で船の帆に宿り
船に積まれた種々の言葉に
勇気と共にその伝言を託す
託された伝言の
ひとつひとつには
光が息づいていた
それはひとつの願い
ひとつの祈りであった
言葉よ届け
言葉よ来たれ
円環をなす水平線の
境界を越えて
私が佇む言葉の港
見送る船と
迎える船の
祈りの光が集うところ