声も聞こえず
顔も姿も見えず

もちろん触れることも
できないのに

確かにその存在を
常に感じる誰かのために

私は心の便箋に
ひとつひとつ
文字を落として
語句を積み上げ

手紙という
言葉の家を
建てているのです

でもまだそれは
完成していません

誰も棲めない
建てかけの家

建てながら幾度も
図面を書き直していて
いつ完成するかも
わからない家

なぜならそれは
手紙であり
家であると同時に
私自身でもあり
私を貫きつつある
「時」
でもあるからなのです

声も聞こえず
顔も姿も見えず
触れることも
できない存在へ

私の明日は
私自身を貫いて
投げかけられているのです

それ故私は
今日もこうして
生きているのです