冬の弱々しい日差しが
仄かな微笑みを見せたとき
春を謳った花々が
旅立ちの別れを告げてきたとき
林間に満ちる蜩の声が
淡い侘しさの衣をまとい始めたとき
すっかり葉を落とした木々の枝が
風に震える細密画を空に透かしたとき
隠れていた変遷する時の麗しさが
あえかな光を帯びつつ
我らの瞳と魂に忍び込んでくる
それらはめぐる季節の懐に
内在していたものではなくて
我らの内の奥深くにも
生まれつき備わっていた
何ものにも侵されない
存在の核のようなものとの
共鳴が顕した無二の相貌
微分された時の流れが
精緻な造形を映し出した
繊細なガラス細工
遷移する時の織りなす繊麗さ
それはこの世の命あるもの
全てに与えられた
無償の表象
輪転し続けながら躍動する
生命の証