私は
別荘を探しています
私が今いるところから
遠く遠く
離れたところに
一軒だけ建つ別荘
瀟洒でなくても
豪華でなくても
いいのです
ただ
今私がいるところの
喧騒が全く届かない別荘
他の誰からも
決して干渉されない別荘
それは
この地上の
どこにも存在しない
「アタラクシア」
という名の別荘
そこに流れる
時間を司る神は
「クロノス」ではなく
「カイロス」であり
その壁に掛けられた
時計の針は
有限性の時を
本来的な時を
刻んでゆきつつ
自然に包まれ
自然に溶け込み
あらゆる命と
一つになるのです
もしその別荘を
見つけることができ
己がものとしたならば
別荘と本宅とは
立場が逆転し
私は常に別荘にいながら
日常の中に
限りなく澄み切った
自由を手にするでしょう
私はそんな
別荘を探しています