テレビは
孤独であった

数多の人々から
様々に言われ続けた

虚構の世界を作るとか
切り取られた現実を映すとか

人々の欲望を掻き立てるとか
特定の価値観を押し付けるとか

歴史観を捻じ曲げるとか
劣等感を植え付けるとか

人々を孤立させるとか
人々を愚かにするとか

様々なことを言われたうえに
インターネットのサービスからは
時代遅れとみなされたり
前世紀の遺物と見られたりして
蔑まれ
見下され

テレビは
孤独であった

孤独の時を経たテレビは
生まれ変われるだろうか
己を再生できるだろうか

テレビは哲学を語れるか
より良き生のための
生の意味を知るための
深く鋭い思索へや
自由と敬意の満ちた
静かな語り合いへと
人々を導くことが
できるだろうか

テレビは詩を顕せるか
世界の美しさや
人生の価値を
水面に生じた波紋が
広がりゆくように
自ずから人々の内に
沸き起こさせることが
できるだろうか

孤独なるテレビは今
道を問われている